工場に仕事なく 街にも人影なし 製造拠点・珠江デルタが冷え込む

2026/03/20 更新: 2026/03/20

近年、中国の製造業の中核地域である珠江デルタでは、経済の活力が明らかに低下している。現場の労働者や関係者からは、工場の受注減少や稼働率の低下が相次ぎ、かつて活気にあふれていた工業地帯が閑散としているとの声が上がっている。

かつて深センや広州で建材加工に従事していた洪偉さん(仮名)は、新型コロナ(中共ウイルス)の流行以降、工場の状況が目に見えて変化したと振り返る。同氏はこの1年ほど、残業で収入を増やす機会はほとんどなくなり、仕事自体も見つけにくくなっているという。

失業者の洪偉さんは「おととしの深センでは、すでに多くの工場が残業を取りやめていた。土日残業のある工場はほとんどなく、平日の残業も減った。やる仕事がなく、従業員を養えない状態だ。もうそういう段階に来ている」と語った。

洪さんによると、昨年4月以降はほぼ失業状態が続き、日雇いの仕事でなんとか生活を維持している。しかし、日雇いの仕事も例年と比べて格段に少なくなっているという。

洪偉さんは「昨年4月からほとんど働けていない。以前なら仕事は簡単に見つかり、ネット上にも求人が溢れていましたが、昨年はほとんど求人がなかった」と述べた。

洪さんはまた、以前は不動産市場の好況に支えられ、建材や内装など関連業界が潤っていたものの、昨年末には本来であれば繁忙期に当たる時期に、多くの工場が早めに操業停止に入ったと述べた。

洪偉さんは「5、6日働いただけで、社長からはもう仕事がない、注文が入らないと言われた。旧暦の12月半ばには休みに入った。深刻な不況を感じた。以前は住宅建設関連の仕事が忙しかったのに、コロナ後の経済の落ち込みがはっきりと表れている」と明かした。

李傑さん(仮名)は毎年半年ほど広東に滞在している。かつての珠江デルタは活気に満ちた製造拠点だったが、現在は様変わりしたと話した。

政府幹部の李傑さんは「以前、東莞では午後5時〜7時になると、工場や事務所からあふれるように労働者が出てきて、街中が人でいっぱいになっていた。しかし今回は閑散としていて、多くの通りでは人影がほとんど見えず、店や工場の建物だけが並んでいた」と述べた。

李さんは、この変化が経済活力の低下を反映していると考えている。地元の人々からは工場の海外移転が進んでいると聞いたという。

李傑さんは「工場はベトナムや東南アジア諸国、さらにはインドなどに移っている。主な理由は政策だ。中共は資金が必要になると民間投資家に投資や工場設立を促すが、企業が軌道に乗ると、途端に締め付けを始めるのだ」と批判した。

現在、珠江デルタは受注減、稼働率低下、人口流動の鈍化といった複合的な圧力に直面している。かつて繁栄していた製造業の中心地が、ゆっくりと冷え込んでいる状況だ。

 

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