中国各地で「ロボット警官」の導入が進んでいる。
湖南省長沙や広東省深圳、浙江省杭州などでは、人型ロボットが交通整理や歩行者への注意喚起を行う様子を大々的に宣伝している。中国当局は「スマート交通管理の実現」とアピールするが、現場では思わぬ光景が話題になっている。
ネット上で拡散された映像には、ロボットの後ろを複数のスタッフが付き添って歩く様子が映っていた。中国のネットユーザーからは「ロボット1台に人間4人」「失業対策になっている」「ロボットのための介護チームだ」と皮肉る声が相次いだ。
実際、長沙では交差点でロボットが突然停止し、交通の妨げになったとして話題になった。故障したロボットをスタッフが抱えて運び去る映像も拡散されている。
深圳でも、交通整理中のロボットがバランスを崩しかけ、慌てて職員が支える場面が撮影された。
安全面への不安もある。今年6月には新疆ウルムチで、パフォーマンス中のロボットが男児の腹部を蹴り、男児がその場に倒れ込む事故が発生した。大きなけがはなかったというが、「もし高齢者や幼児だったらどうなっていたのか」と懸念の声が上がった。
中国では政府補助金を背景にロボット開発ブームが続いている。しかし現場では「本当に人手削減につながるのか」「故障や事故の責任は誰が負うのか」といった疑問も広がっている。
人間の仕事を置き換えるはずのロボット。そのロボットを支えるために、さらに人手が必要になっている。そんな皮肉な現実が、中国の街角で注目を集めている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。