日本で魚釣りといえば、季節ごとにエサを選び、釣った魚を自分でさばいたり、行きつけの店に持ち込んで調理してもらったりして味わうのも楽しみの一つだ。自分で釣った魚だからこそ、そのおいしさも格別である。
しかし中国では、その常識が大きく揺らいでいる。
「少量を水に投入するだけで、魚が次々と食いつく」。そんな「爆釣エサ」が釣り愛好家の間で人気を集めている。
中国メディアの調査で、その正体が、向精神薬「ジアゼパム(安定剤)」を混ぜた違法な魚用餌であることが明らかになった。しかも、そうした危険な魚の餌で釣られた魚が、市場や飲食店を通じて消費者の食卓に流れているという。
ジアゼパムは、不安や緊張を和らげる医薬品で、中国でも厳しく管理されており、水産分野での使用は禁止している。
ところが、問題の餌はネット通販で堂々と販売、一部の商品は数万件も売れていた。四川省のある工場では、1日に10トン規模で生産していた。
業者自身も、「魚の警戒心がなくなり、逃げなくなる」と効果を認めている。その危険性を認識しているためか、自分では食べず、市場や飲食店に売る釣り人も少なくない。
専門家によると、ジアゼパムは魚の体内で分解されにくく、残留したまま人の口に入る可能性がある。長期間にわたって摂取した場合、中枢神経系への影響も懸念されている。
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