中国 流通の裏側で広がる危険な実態

中国の活魚に「麻酔薬」 健康リスクも

2026/03/26 更新: 2026/03/26

中国各地の水産市場で、活魚を運ぶ際に麻酔薬を使う行為が広く行われている。魚を一時的に動かなくすることで輸送を楽にするためとされるが、安全性への不安が広がっている。

この問題は以前から指摘してきたものだが、中国の国営テレビも市場関係者の証言を取り上げ、その実態を報じた。

重慶の市場では、運ばれてきた活魚は水中でほとんど動かない状態で届く、酸素を入れると再び泳ぎ出す。現場では「魚は眠っているだけ」と説明しているが、実際には薬剤によって動きを止めているとみられる。

こうした手法は最近になって突然現れたものではない。業界関係者の間では以前から広く行われてきたが、長年にわたり見過ごされてきた。

使われているのは、活魚をおとなしくさせるための液体で、多くが製造元や成分表示のない無許可製品だという。主成分とされる物質は医療や研究で使われることもあるが、長期間にわたって体内に取り込まれた場合、肝臓や腎臓に負担をかけると指摘している。

さらに一部の地域では、より強い効果を求めて工業用アルコールが使われているとの情報もある。体内に取り込まれる量によっては、失明や内臓への深刻な影響につながるおそれもある。

問題を深刻にしているのは、こうした物質が活魚の体内に残る点だ。完全に分解されるまでには時間がかかるが、その前に市場に出回るケースもある。消費者は見た目では判断できない。

背景には、制度のあいまいさがある。活魚への麻酔使用について明確なルールがなく、検査対象にも含まれていないため、現場では事実上見過ごされているとの指摘がある。

こうした問題は今回に限ったものではない。これまでも食品をめぐるトラブルは繰り返されてきた。食卓の安全が揺らぐ中、問われているのはモラルと責任である。

本当に求められているのは、利益よりも安全を優先するという当たり前の姿勢である。そうしたモラルが業界の中心に戻らない限り、中国の食卓から不安が消えることはない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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