中国 11年経っても未完成

中国タイタニック計画破綻か 総額2千億円が放置状態

2026/04/15 更新: 2026/04/15

四川省で進められていた「タイタニック号の再現プロジェクト」が、11年を経ても完成せず、事実上の破綻状態に陥っている。総投資額は10億元、日本円でおよそ2千億円規模にのぼるが、現在は工事が止まり、巨大な船体だけが取り残されている。

この計画は、実在した豪華客船タイタニック号を忠実に再現し、観光施設として公開することを目的に始まった。船は全長269メートル、幅28メートルと実物に近い規模で建造され、内部も宴会場や劇場、豪華な一等客室、展望デッキ、プールなど、当時の船内空間をそのまま再現する構想だった。

さらに投資会社のトップは当時の取材で、「船の鋼板の厚さやトイレの水洗設備、タイルの細部に至るまで、20世紀初頭の英国船と同じ仕様に合わせる」と説明していた。細部まで徹底して再現することが、この計画の売りだった。

この再現船は、現地で進められていた大型観光開発「浪漫地中海(ロマンあふれる地中海リゾート)」と呼ばれるリゾート計画の中核施設として位置づけられていた。地域の観光の目玉として期待され、大きな話題を集めていた。

2014年に着工し、当初は2017年の完成を目指していた。しかし資金難により工事は途中で止まり、船体の外側は約9割完成したものの、内部はほとんど手つかずのままとなっている。

最近公開された映像では、建設現場は無人で、クレーンや足場は錆びつき、周辺の施設も未完成のまま荒れた状態になっている。かつて観光地として整備される予定だったエリア全体が、静まり返っている。

投資会社は今年3月に破産を申請し、プロジェクトは完全に行き詰まった。関係者は「ほぼすべての資産を投入したが、続けることができなかった」と説明している。

地方の経済成長を背景に進められたこうした観光開発の中には、完成できないまま放置され、巨額の投資が回収できないまま残るケースが増えており、今回のタイタニック計画もその一例である。

「決して沈まない」とうたわれた船は、完成することなく朽ち始めている。巨大な残骸は、過剰な投資と計画の甘さを象徴する存在となっている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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