米原子力ルネッサンスの幕開け 次世代炉の普及を阻む「規制の壁」は崩れるか?

2026/04/18 更新: 2026/04/18

論説

トランプ米大統領が「原子力エネルギー革新・近代化法(NEIMA)」に署名してから7年以上が経過した。原子力規制委員会(NRC)がその規定を施行するための最終規則を策定するのに、(バイデン政権下の4年間を含め)丸7年を要したことになる。

新規則「パート53」は、これまで数十年かかっていた審査を18ヶ月以下に短縮することを目指している。リベラル派のワシントン・ポスト紙でさえ、この緩和策がトランプ大統領の掲げる原子力産業の活性化を促進し、競争力を強めると肯定的に報じた。同紙は、この進展が「誰にとってもプラスになる」と結論づけている。

従来のNRCの許認可審査プロセスは、ウェスチングハウス社のAP1000のような軽水冷却炉を前提に構築されており、それらの設計に特化した規範的な安全要件が含まれていた。現在計画・建設されているあらゆる規模の次世代原子炉に向けたものではなかったのである。

多くの原子力企業は、溶融塩のような液体金属やガスを冷却材として使用する原子炉を設計しており、これにより高温での運転が可能になる。これらの原子炉は、事故の際にポンプやモーターに頼らず、重力や対流といった自然の力で自動的に停止するため、(十分に安全な従来の)水冷却炉よりも究極的には安全である。

NRCは、新しい規制枠組みによってNEIMAの理念を実現しようとしている。この枠組みは特定の技術に固執しないため、次世代炉のような新しいタイプの原子炉でも審査が可能だ。将来の商用原発に対するライセンス供与を、より幅広く、柔軟に行うための基盤となる。この新規則により、小型モジュール炉(SMR)、マイクロ原子炉、さらには現在開発中のフルサイズ原子炉の許認可が迅速化されることが期待される。

NRCは、この代替要件と実施ガイダンスが、技術に依存しないアプローチと、リスク情報を活用した性能ベースの手法を取り入れており、稼働中の商用原発と同等の安全レベルを確保していると述べている。新規則「パート53」は、多種多様な技術や設計の商用原子炉のライセンス供与と規制に対し、選択肢と柔軟性を提供するために設計されている。

しかし、長年にわたり原子炉の認可を阻止してきた実績のある機関が完全に改革されたと、誰もが確信しているわけではない。原子力エネルギーの推進者であるスティーブン・カーティス氏は、パート53規則の実質的な策定期間が(7年どころか)数十年におよぶことを指摘し、「NRCが審査を簡略化するなどあり得ない。プロセスの簡素化は、彼らにとって自分たちの仕事(存在意義)をなくすことを意味するからだ。効率化を進めるメリットなど、彼らには微塵もない」と述べている。

NANO Nuclear Energy社のジェームズ・ウォーカーCEOは、新しいパート53規則を「フリート展開(量産展開)への架け橋」と呼ぶ。つまり、これまでの「一基ごとの個別審査」から脱却し、同じ型の原子炉を各地へ大量に導入していくためのステップといえる。ただし、これで全てが解決したわけではない。マイクロ原子炉特有の「場所を選ばない」という利点を活かすには、設置場所の認可や環境レビュー、さらには移転や廃炉の手続きを大幅に簡略化する必要があるが、今回の規則ではまだ不十分だからだ。NRCが現在も補足的なガイドラインを策定中である事実は、今回の「パート53」が最終回答ではなく、まだ一歩目を踏み出した段階であることを物語っている。

NRCが本当に許認可を前進させる意欲があるのか、改革の真偽はまもなく明らかになるだろう。歴代の大統領は空しく待たされた。トランプ氏はパート53の規制のために7年待ったが、真のマイクロ原子炉に関する規則はいまだ正式に提案されていない。

トランプ政権が原子力ルネッサンスを真剣に考えているさらなる証拠は、国立原子炉革新センター(NRIC)から示された。NRICは先週、開発中のマイクロ原子炉が実際に動くかどうかをテストするための実証用施設「DOME」の建設が完了したと発表した。アイダホ国立研究所(INL)に位置するこの種として初の施設は、民間が開発した次世代原子炉の迅速な開発、試験、実証を可能にする。

エネルギー省(DOE)によれば、DOMEは高さ100フィート(約30メートル)、直径80フィート(約24メートル)の実際のドーム型施設である。実験的な原子炉のコンセプトをテストし、将来の商用ライセンス申請に活用するための性能データを収集するのに十分な、安全な環境を提供する。その完成は、米国が次世代原子力技術の開発と実証の加速を目指す中で、NRCの新しいパート53規則と足並みを揃えるものだ。

再利用された実験用増殖炉II(EBR-II)の格納容器構造から建設されたDOMEは、原子炉開発者が試験期間を短縮するのを助け、資金を節約し、プロジェクトのリスクを軽減し、さらには導入までの期間を短縮することが期待されている。

これらのマイクロ原子炉は工場での製造が可能で持ち運びができるよう設計されている。人里離れたコミュニティへの設置や自然災害への対応、そしておそらくは主にデータセンターなどの独立したマイクログリッド、戦地での軍事作戦、さらには宇宙旅行に利用されることを目的としている。

DOMEは、本物の核燃料を使うマイクロ原子炉の実験ができる、世界唯一の試験拠点である。最大20メガワットの熱エネルギーを生成し、熱利用や発電のプロセスを実証することが可能だ。(これは、1954年に就役したノーチラス号以来、米国の原子力潜水艦を動かしてきた原子炉の規模に匹敵する)

DOEのリアン・バーラン副次官補(原子炉担当)は、DOMEは次世代原子力技術における米国のリーダーシップを再確立するための不可欠な要素であると述べている。だが、こうした施設は何十年も前に作れたはずなのだ。その空白期間を考えると、今の完成は遅すぎたと言わざるを得ない。数ヶ月ごとに燃料を足さねばならない従来の潜水艦と、20年以上も補給不要な原子力潜水艦——その圧倒的な性能差を見れば、この分野の技術開発がいかに放置されてきたかが分かる。

遅まきながらではあるが、DOMEはすでにラディアント・インダストリーズ社の「カレイドス(Kaleidos)」実証ユニットの1年間にわたる予定の試験を開始している。これはTRISO燃料を使用し、ヘリウムで冷却して1MWの電力、または3.5MWtの熱出力を生成するマイクロ原子炉である。米空軍は、カレイドスの配備許可を待っている団体のひとつに過ぎない。他にも多くの企業が、自社の設計をDOMEでテストするために列を作っている。

DOEは、ウラン濃縮や燃料製造の拠点を集約した「原子力メガシティ」の構想を掲げている。高レベル放射性廃棄物の管理という重い責任を負う可能性はあるものの、少なくとも4つの州が、この構想のホスト役となる意向を表明している。アイダホ州とテネシー州は原子力エネルギーにおいて長年の経験があり、ユタ州とネブラスカ州は原子力コミュニティに加わることで得られる雇用と収益に期待を寄せている。

対照的に、ネバダ州は放射性廃棄物の管理に反対しており、テキサス州とニューメキシコ州も(テキサス州が原子力開発を推進しているにもかかわらず)民間による中間貯蔵施設に異議を唱えている。

一方、米国は依然として核廃棄物の再利用を禁止している。核廃棄物を燃焼させるように設計された原子炉(これにより廃棄物の量を95%劇的に削減できる)を使用すれば、原子力発電のコストを大幅に下げ、議論の絶えない廃棄物貯蔵問題を事実上解消できる可能性があるにもかかわらずだ。

当然ながら、米国内の原子力発電所の数が大幅に増加すれば、核燃料の供給も大幅に増やす必要がある。その点でも朗報がある。新設されたフラックスポイント・エナジー社は、米国で70年ぶりとなる新しいウラン転換施設の開発を進めていると発表した。

フラックスポイント社は、その使命を「完全に米国製で垂直統合された核燃料能力を確立すること。それによりエネルギー自給を支援し、次世代炉の開発を可能にし、国家安全保障を強化すること」としている。ウラン精鉱(U3O8)を、核燃料として使用するために核分裂性のウラン235を濃縮できるガス状の六フッ化ウラン(UF6)に転換する同施設の開発は、「順調に進んでいる」という。

こうした一連の動きや原子力産業の活気は、アメリカが未来への自信を取り戻し、再生(ルネッサンス)へと向かっている兆しにほかならない。それは、何十年もの間放置されていた「技術大国アメリカ」の復活を象徴している。先日、熱狂的な歓迎の中で成功を収めた月探査ミッション「アルテミスII」が示した通り、アメリカの卓越性は今、再び目覚めようとしているのだ。

ダガン・フラナキンは、建設的な未来のための委員会(the Committee for a Constructive Tomorrow)の上級政策アナリストであり、幅広い公共政策問題について執筆している。
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