中国 赤字が止まらない現場

中国AIショート動画制作会社が苦境 作っても利益が出ない現実

2026/04/22 更新: 2026/04/22

中国でAIを使ったショート動画やアニメを制作する会社が、厳しい状況に置かれている。少し前までは「簡単に稼げる新しいビジネス」と注目されたが、現場からは苦しい実態を訴える声が相次いでいる。

AIの進化によって、動画はこれまでより安く作れるようになった。制作費は従来の10分の1ほどにまで下がり、多くの人や企業が一気に参入した。しかし、参入が増えたことで競争は激しくなった。動画の単価は下がり、思うように収益が出ない状況が広がっている。

本紙姉妹メディアのNTD新唐人テレビが複数の制作会社の経営者に取材したところ、現場では赤字や資金難を訴える声が相次いでいることが分かった。

ある経営者は「動画を作るほどコストがかかり、結果として赤字になることが多い」と話す。さらに、動画生成に使うAIツールの料金も値上がりしており、負担は重くなっているという。

資金繰りの問題も深刻だ。別の経営者は「社員の給料や家賃を払い続ける一方で、制作費の入金は遅れがちで資金が持たない」と明かす。作品を多く作っても利益につながらないケースがある。

さらに海外のAIとの差も広がっている。海外では簡単な指示だけで高品質な動画を作れる技術が登場しているが、中国では利用を制限している。この違いが、業界の苦しさの一因になっているとの声もある。

また、大手配信プラットフォームの支援策が打ち切られたことも影響している。業界では、これまで頼っていた支援がなくなり、厳しさが増したとの声が出ている。

異業種から参入した企業の中には、思うように仕事が取れず、事業の継続に悩むケースも出ている。「ヒットすれば稼げる」との期待で始めたものの、現実は簡単ではないという声も聞かれる。

期待を集めた新ビジネスだが、現場に広がるのは苦しい声ばかりだ。そのギャップが、いまはっきり見え始めている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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