米司法省 中共関連疑惑の偽求人サイト13件を差し押さえ

2026/06/11 更新: 2026/06/11

米司法省と米連邦捜査局(FBI)は10日、中国共産党の情報機関との関連が疑われる13のインターネットドメインを差し押さえたと発表した。これらのサイトは、米国政府の機密情報や機微情報に接することができる現職や元職員、とりわけセキュリティークリアランスを保有する、あるいは過去に保有していた米国人を勧誘するために利用されていた疑いがある。

起訴状によると、関係者らは2023年11月以降、少なくとも13の偽装コンサルティング会社のウェブサイトを開設した。これらのサイトでは、「コンサルティング」や「リサーチ」関連の職種を募集する曖昧な求人広告が掲載されていた。対象は現職および元米政府職員や軍関係者で、専門的なサービスの提供を求める内容だったが、依頼主に関する情報は一切明示されていなかった。

裁判所提出の資料によれば、関係者らはSNSや各種オンラインプラットフォームを通じて応募者を募っていた。利用されたプラットフォームにはUpwork、Expertia AI、Hubstaff Talent、Wellfound、Post Job Freeなどが含まれ、偽コンサルティング会社のウェブサイトへのリンクが掲載されていた。

標的とされたのは、現在または過去にセキュリティークリアランスを保有していた人物のほか、米政府の機密情報や機微情報にアクセスできる米国人であった。偽企業が提示した求人には、「シニアアナリスト」や「国際問題コンサルタント」といった職種が含まれていた。

募集案件の内容は、中共政権が関心を持つテーマに関するものであり、応募者を誘導して内部情報を提供させたり、機密性の高い報告書を執筆させたりすることが目的だったとされる。

関係者らは調査報告書に対して高額な報酬を提示し、テレグラムなどの暗号化通信アプリを利用した連絡を要求していた。また、応募者に対し、「独占的な情報」や「内部ルートから得た情報」の提供を求める圧力をかけていたという。さらに、契約書や秘密保持契約(NDA)を締結することで信頼性を装い、勧誘活動の正当性を演出していた。

また、関係者らは偽名や架空の身分、さらには実在人物の身元を盗用して勧誘対象者と接触していたほか、人工知能(AI)で生成したプロフィール画像も使用していた。

宣誓供述書によると、関係者らは応募者や新たに勧誘した人物に対し、機微情報の提供と引き換えに現金を支払っていた。報酬は架空の身分で開設したオンライン口座を通じて支払われ、暗号資産を利用して身元や資金源を隠蔽していたという。こうした支払いにより、海外から米国内への資金流入が行われていた。

ジョン・アイゼンバーグ司法省次官補(国家安全保障担当)は、「今回のドメイン差し押さえは、外国勢力が『簡単に稼げる』という甘言を用いて、米国人に保護義務のある機微情報や機密情報を漏えいさせようとする手口を明らかにした」と指摘した。

その上で、「オンライン上で曖昧な『コンサルティング業務』を持ちかけられ、容易な収入を約束された場合には、高い警戒心を持ち、悪意ある勧誘の兆候に注意すべきである」と呼びかけた。

ワシントン連邦地検のジャニーン・ピロ連邦検事は、「今回の差し押さえは、国家の最も機密性の高い情報へのアクセスを信頼されている米国人を利用しようとするいかなる試みも暴かれ、阻止されることを明確に示した」と述べた。

さらに、「これらの偽コンサルティングサイトは巧妙に設計されていたが、検察当局と法執行機関の継続的な取り組みにより、この計画は適時に阻止された。われわれは今後も人的資源システムの健全性を守り、国家安全保障を支える重要情報を保護していく」と強調した。

FBIで防諜・対情報活動部門を統括するロマン・ロザフスキー副局長補は、「今回差し押さえられた偽コンサルティング会社のドメインは、中共政権の情報機関がAI生成コンテンツを利用し、現職および元セキュリティークリアランス保有者を欺き、勧誘し、あるいは脅迫して機微情報を入手しようとしていたことを示している」と述べた。

また、「FBIと関係機関は、中共の情報機関がAI、職業向けSNS、オンライン決済システムを利用して米国人を標的にしていることを確認しており、国土安全保障を守るため行動を起こした」と語った。

FBIワシントン支局で防諜・サイバー部門を統括するダニエル・ウィルズビッキ特別捜査官は、「中共政権は長年にわたり、偽装企業や偽求人を隠れみのとして米政府職員を利用しようとしてきた。本日、われわれはそれらのプラットフォームを閉鎖した」と述べた。

さらに、「今回の差し押さえによって、これらの詐欺的なウェブサイトが機微情報を保有する米国人を引き続き標的とすることを阻止できる。FBIは今後もあらゆる手段を用いて米国民と国家安全保障を守っていく」と強調した。

FBIのノーフォーク支局のドミニク・エバンス特別捜査官は、「中共政権は、偽求人やオンライン勧誘を含むさまざまな欺瞞的手法を用いて、米国の技術革新の成果や研究成果、機微情報を取得し続けている」と指摘した。

その上で、「これらのドメインを差し押さえ、その手口を公表することで、われわれは国家安全保障を守り、米国のイノベーション能力を保護するとともに、国民がこうした脅威を認識し防御できるよう支援している。不審な求人や勧誘に遭遇した場合は警戒を怠らず、危険信号を見極めた上でFBIに通報してほしい」と呼びかけた。

林燕
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