「いつでもつながる」が売り文句だった中国で広く使われていたVPNサービス「LetsVPN(快連VPN)」が4月28日、中国本土向けの運営停止を発表した。急激に強まったネット規制により、接続が維持できなくなったためだ。
VPNとは、スマートフォンやパソコンに専用アプリを入れて使うサービスで、通信を海外のサーバーを経由させることで、国内のネット規制を回避できる仕組みだ。中国では海外サイトやSNSの多くが制限されているため、外の情報を見る手段として広く利用されてきた。
LetsVPNは公告で、過去20日間ほぼ毎時間のように対策を続けたものの、接続問題を解決できなかったと説明。現在は利用者への返金対応を進めている。
4月以降、中国当局はこうしたVPNの取り締まりを一段と強化しており、国内外で規制強化への反発や不安の声が広がっている。
最近の状況について、中国本土出身の元ソフトウェア業者・甘文威氏は4月24日、新唐人テレビの取材に対し、「これまではある程度黙認していたが、現在は通信そのものを遮断する段階に入っている」と指摘した。
関係者によると、中国国内のVPN利用者は数千万から1億人規模にのぼるとみられている。今回の規制強化は、政治的な発言を行う人だけでなく、貿易や越境EC、海外情報を必要とする研究者など、幅広い層に影響を及ぼす。
また、複数の分析では、今回の措置は単なる情報統制の強化にとどまらず、外部環境の変化や国内の不満の広がりを受け、海外の情報流入や国内情報の流出を抑える狙いがあるとの見方が出ている。社会の動揺を抑えるため、ネットの出入りをあらかじめ厳しくした可能性があるという。
規制が強まる一方で、それを回避しようとする動きも消えることはないとみられる。実際、仕事や研究で海外とのやり取りが欠かせない人々にとっては、何らかの手段を探さざるを得ない状況だ。取り締まりと回避のいたちごっこは続き、情報をめぐる攻防は今後も長期化するとみられる。
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