中国 奇妙な理由でキャンセル強要

中国版GWで宿泊費が最大10倍 値上げ目的で予約客追い出しも

2026/05/03 更新: 2026/05/03

「経営者が急きょ亡くなった」「毒蛇が出る」「風通しが悪い」「営業停止中」「システムエラー」。

一見すると営業不能を示すれっきとした理由だが、中国のホテルや民宿がこれらの理由を実際に使い、予約客にキャンセルを迫るケースが相次いでいる。その多くは、値上げのためだ。

中国版GWの大型連休を前に、各地のホテルや民宿で予約済みの客を追い出すトラブルが相次ぎ、波紋を広げている。

現地メディアによると、平時は100元(約2200円)前後の部屋が、連休中には5倍から6倍、場合によっては10倍にまで値上がりする例が続出している。

問題はそれだけではない。

広西チワン族自治区の女性は、2月の時点でGW期間の宿泊を4泊494元(約1万1千円)で予約していた。ところが4月末、ホテルから突然「経営者が亡くなり、店が閉鎖される」と連絡を受け、キャンセルを急かされた。女性はこれを信じて予約を取り消したが、その後、ホテルは通常通り営業しており、同じ部屋を値上げし再び販売していたことが分かった。この件については、当局が立ち入り調査を行っている。

深圳や貴陽などでも、「部屋の風通しが悪い」「営業停止中」「システムエラー」などの理由で予約を取り消した後、同じ部屋を高額で再び販売するケースが報告されている。SNSではこうした苦情が2千件以上投稿されているという。

浙江省杭州市の千島湖周辺(湖に大小の島が点在する人気の観光地)でも同様の事例が起きた。男性がネットで約2千元(約4万4千円)で3泊予約したところ、翌日になって宿側が1泊3千元への値上げを要求。拒否すると「毒蛇が出る」「衛生管理は自分で行う必要がある」「安全は保証しない」などと説明し、事実上キャンセルを迫った。男性が苦情を訴えた結果、世論の批判を受けて地元当局が調査に入り、宿側は客に連絡して補償を行った。

ネット上では、「これは便乗値上げだ」「お金の前では約束が無意味になるのか」といった批判の声が相次いでいる。「予約して支払いを済ませた時点で契約は成立しているはずだ」「違反した場合は厳しく罰するべきだ」といった意見も多い。

中国では大型連休のたびに同様の問題を繰り返しており、目先の利益を優先するやり方が背景にある。

一度結んだ約束が簡単に覆される状況が続けば、安心して旅行を計画すること自体が難しくなる。信頼を軽視する行為の積み重ねは、やがて観光市場そのものの信用を揺るがしかねない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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