中国 展示館は閉鎖、館内は大混乱。それでも営業を続けた博物館

真っ暗で蒸し暑くても「どうぞ中へ」 世界遺産・兵馬俑(中国・西安)で物議を醸した対応

2026/08/07 更新: 2026/08/07

世界遺産「秦始皇帝陵(しんのしこうていりょう)」(中国・西安)の博物館で8月4日午後、場内が突然停電し、一部展示館が真っ暗になるトラブルが発生した。

ここでは、中国を初めて統一した始皇帝の墓を守るために造られたとされる約8千体の兵士や馬の像「兵馬俑(へいばよう)」を公開している。中国を代表する観光名所として、日本人観光客にも人気が高い。

ところが当日は設備の老朽化による停電で、2号坑、3号坑と文物展示室は閉鎖された。一方で入口では検票が続けられ、事情を知らない観光客が次々と館内へ入場。館内は蒸し暑く混雑し、開放されていた1号坑ではスマートフォンのライトを頼りに兵馬俑を見学する異例の光景が広がった。

中には、30分以上並んで入場した後に初めて一部施設が閉鎖されていることを知った観光客もおり、「せめて入場前に説明してほしかった」「見られないなら入場を止めるべきではないか」と不満の声が相次いだ。

さらに批判を集めたのが返金対応だ。博物館側は「入場料は財政システムへ直接入るため返金できない」と説明し、「2年以内なら無料で再入場できる」と案内。しかし、「見たい展示が見られず、暑さと混乱の中を歩かされただけなのに、なぜ返金されないのか」と反発が広がった。

返金対応への批判が広がると、博物館は返金希望者の受付を開始した。ただ、実際に返金されるかどうかは未定としている。

SNSでは「停電そのものは仕方なくても、閉鎖したまま観光客を入れ続け、十分な説明も補償もしない対応が問題だ」「世界遺産とは思えない運営だ」といった批判が相次いだ。

世界的な観光地では、文化財そのものの価値だけでなく、来場者が安心して見学できる環境や、トラブル発生時の誠実な対応も重要なサービスの一部だ。

今回の騒動は、世界遺産の管理体制そのものにも疑問を投げかける結果となった。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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