中国の8月若年失業率18.9% 今年最高 専門家「実態はさらに深刻」

2026/09/19 更新: 2026/09/19

今年夏、大量の新卒者が労働市場に流入したことで、中国では就職競争がさらに激しくなっている。中国共産党(中共)当局の最新統計によると、8月の都市部の若年失業率は18.9%に上昇し、今年最高となった。専門家は、公式統計にはさまざまな調整が加えられており、実際の若者の失業状況はさらに深刻である可能性があると指摘している。

中国国家統計局は9月17日、8月の全国都市部調査失業率を発表した。在学中の学生を除く16~24歳の失業率は18.9%となり、7月から1ポイント上昇し、2025年8月以来の高水準となった。25~29歳の失業率も7.5%と、7月から0.3ポイント上昇した。

当局は、主に「卒業シーズンによる季節的要因」の影響だと説明している。

2026年の中国の大学など高等教育機関の卒業者数は1270万人に達し、前年より48万人増加して、過去最多を更新した。

米国の経済学者デイビー・ウォン氏は、中共当局の統計には何重もの調整が施されており、実際の若年失業の状況はさらに深刻だと指摘した。

ウォン氏は、「現在は卒業シーズンと雇用の縮小がちょうど重なっている。25~29歳も失業率が新たに上昇している層となった。企業が新規雇用にほぼ急ブレーキをかけ、採用人数を減らしていることを反映している」と述べた。

ウォン氏によると、多くの在学生や、フリーランスなど柔軟な就業形態で働く人々は統計の対象から外れているという。

同氏は「これは標本調査で、対象はおよそ2万~3万人にすぎず、実際の状況をそのまま反映できるものではない。しかも、都市部にいる若者を対象に調査しているため、本当の失業率はこの数字をはるかに上回る」と述べた。

雇用市場の厳しさは、最近の新卒者の就職活動からもうかがえる。ある博士課程を卒業予定の女性は、100社に履歴書を送ったものの、面接の連絡が来たのは2社だけだったという。

政治・経済評論家の曹鵬氏は、一部の求人広告と実際の採用需要には大きな隔たりがあると指摘する。一部の国有企業や中央政府系国有企業では、実際の採用人数が500~600人程度にもかかわらず、7千~8千件もの求人を掲載し、その結果、10万人もの応募者が集まるケースがあるという。

曹氏は、「中央政府系企業でも国有企業でも、毎年課された任務があり、求人サイトに長期間、求人広告を掲載するよう求められている。しかし実際に問い合わせてみると、人を募集していない。採用しないだけでなく、こうした企業はコスト削減と効率化も進めており、本来1人でやっていた仕事を2人にやらせるような状況だ」と述べた。

曹氏によると、雇用統計をより良く見せるため、地方政府ではさまざまな手法が使われているという。

曹氏は、「多くの地域で、7日間の試用勤務が始まっている。しかも無給だ。7日後には、さまざまな理由をつけて『不採用』として辞めさせる。それでも、この試用勤務は就業として数えられる。また、多くの大学では、学生が『就職先が見つからなかった』と申告すると卒業証書を出さない。さらに現在、多くの劣悪な工場では搾取がひどく、夏休みのアルバイトに時給6元や9元しか支払わないケースもある」と語った。

9月初め、中国本土のメディアは、一部の職業学校が工場や人材派遣会社と結託し、学生を大量に工場の生産ラインへ送り込み、「紹介料」を受け取っている実態を報じた。「実習をしなければ卒業証書を出さない」と学生に迫るケースもあり、こうした仕組みがグレーな産業として形成されているという。ある学校では数千人の学生を工場に送り、毎月100万元を超える利益を得ることも可能だとされた。

こうした仕組みによって、深刻な状況に追い込まれる実習生もいる。雲南省の17歳の看護学科の学生は、江西省の電子機器工場で実習中、1日12時間勤務し、その後、呼吸不全で死亡した。また、安徽省蕪湖市の17歳の職業学校生は、自動車部品工場での実習中に自殺した。

曹氏は、「これは典型的な労働者派遣と人的資源の搾取だ。学生が少しでも抵抗すれば、教師にとっても都合が悪い。学生から得られる金が減るからだ。学生1人を夏休みの間送り込めば1千元稼げる。校長、教務主任、教師がそれぞれ利益を得る」と述べた。

中国本土の大学教員、王さん(音声加工)は、こうした問題の根源は中共の政治体制にあると指摘した。

王さんは、「中国経済は停滞し、対外貿易もうまくいかず、不動産市場も低迷している。それが経済全体に波及している。そのため、人は多いのに仕事は少ない。もう一つの問題は、依然として特権的な構造が存在していることだ。たばこや石油などの業界は一部の人々に独占されており、一般の人はそもそも入ることができない。そのため、大学生の就職はますます難しくなる」と語った。

王さんは、若者の大量失業によって結婚率や出生率が急激に低下し、隠しきれない社会的危機につながると警告した。当局の対応は監視やインターネット検閲を強化することにとどまっているとして、「圧力鍋のようなものだ。内部で問題が起きているのに解決しなければ、遅かれ早かれ大きな問題が起きる」と述べた。

編集/李韻 取材/邱越 編集制作/高玉

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