中国 スパイ警戒の裏で広がる市民監視

中国、また「スパイ話」なぜそこまで?

2026/09/18 更新: 2026/09/18

中国で、日常生活のさまざまな場面を「国家安全」と結び付け、スパイへの警戒を呼びかける宣伝が広がっている。一方、国民からは「話ができすぎている」とのツッコミや疑問の声が相次いでいる。

9月16日、中国共産党当局はまたも「機密漏えい」の事例を公表した。

ある県の教育当局の職員が、「機密文書」を撮影し、中国のSNS・微信(ウィーチャット)の学校関係者グループに投稿した。その画像がさらに別のグループへ転送され、機密を漏らしたとして、投稿者を含む職員2人が処分されたという。

ネット上では「教育当局に何の国家機密があるのか」と疑問の声が相次いだ。

同日、国営メディアも「スパイ事件」を紹介した。児童福祉施設で育った学生を高校時代から支援していた「L先生」が、卒業後に「重要機関」への就職を勧め、内部情報の提供を求めた。学生が通報したところ、その人物は外国の情報機関の関係者だったという。

この話についても、ネット上では「話ができすぎている」とのツッコミが相次いだ。

中国では近年、スマートフォンの利用や研究、就職、留学など、市民生活に身近な領域にまで、「国家安全」を理由とする警戒が広がっている。

その背景には、当局が進める反スパイ政策がある。「身近にスパイがいる」と繰り返し警戒を促し、一般市民にも不審な人物や行動を通報するよう呼びかけることで、社会全体に監視の目を広げている。

さらに、「スパイ」の疑いをかけられれば、当局は調査にとどまらず、財産の凍結や身柄拘束を可能にする強い権限を行使できる。

こうして当局が市民同士を監視させ、国家安全の網を社会の隅々まで張り巡らせることは、反体制的な活動や言論を抑圧する手段にもなり得る。

中国の国家安全法は、国家の安全だけでなく、共産党政権と社会主義制度を守ることも目的に掲げている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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