高市首相は15日、フランスの大手紙『ル・フィガロ』に寄稿文を発表した。6月15日から17日までフランスのエヴィアンで開催されたG7サミットに合わせたもので、タイトルは「G7の結束と日仏の卓越したパートナーシップ(La cohésion du G7 et le partenariat d’exception entre le Japon et la France)」である。
寄稿文において、高市首相は自由、民主主義、法の支配といった基本の価値観を共有するG7の役割を強調し、マクロン大統領の議長国としての手腕に期待を寄せた。その上で、今回のサミットにおける重要な3つのテーマについて言及している。
第1のテーマは、緊迫する中東情勢への対応と、それに伴うエネルギーおよび食料安全保障の確保である。資源の乏しい日本は、これまでの経験と知見を活かして議論を牽引する姿勢を示した。具体的には、アジアへの石油供給などの「緊急対応」に加え、戦略的備蓄の活用や重要鉱物の確保、さらに地域的なエネルギー協力枠組み「パワー・アジア(Powerr Asia)」の立ち上げによる「構造的対応」を進める方針を明らかにしている。
第2のテーマは、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の概念の更新である。高市首相は、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であると指摘した。その上で、5月に発表した新たなFOIP(自由で開かれたインド太平洋)の柱として「AI・デジタルデータ時代における経済エコシステムの創出」「官民連携による経済フロンティアの共創」「安全保障分野における協力の拡大」を挙げ、太平洋に領土を持つフランスとの協力深化が不可欠であると訴えた。
第3のテーマは、議長国フランスとの緊密な連携である。世界的なマクロ経済の不均衡是正、新興国・途上国との互恵的パートナーシップの推進、未成年者のための安全なデジタル空間の構築、移民や麻薬の密輸対策、がん対策など、フランスが掲げる重点課題において具体的な成果を上げるため、全面的に協力する意向を示した。
さらに高市首相は、日仏関係を「卓越したパートナーシップ」と位置づけ、今年4月に東京で行われたマクロン大統領との首脳会談の成果を振り返った。安全保障、重要鉱物、AI、民生用原子力、宇宙などの分野で協力が強化されていることを評価している。特に宇宙分野では、日本の「アストロスケール」とフランスの「エクソトレイル(Exotrail)」による宇宙デブリ除去技術の共同開発など、具体的な産業協力を歓迎し、「日仏協力ロードマップ(2023-2027年)」が着実に進展していることに手応えを示した。
最後に、2028年に日仏外交関係樹立170周年を迎えることを見据え、官民あらゆるレベルでの交流を通じて両国の絆がさらに強まることへの強い期待を表明し、寄稿を結んだ。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。