トランプ大統領 強硬派の批判に反論 イラン再爆撃は世界的経済危機の恐れ

2026/06/19 更新: 2026/06/19

アメリカのトランプ大統領は6月18日、インタビューに応じ、イランと交渉し覚書(MOU)を締結した理由について、軍事衝突が「世界的な経済危機」に発展するのを防ぐためであると述べた。  

国内の強硬派から批判を受ける中、トランプ大統領は今回の外交合意について、「実質的には」イランの「無条件降伏」である可能性があるとの見方を示した。また、これまで米軍が実施してきた海上封鎖がテヘランに強い圧力を与えたと強調した。  

トランプ大統領が語る「交渉決断」の理由

トランプ大統領は18日、米メディアAxiosのインタビューで、戦争が世界経済に深刻な影響を及ぼす事態を避けるため、イランと交渉したと述べた。さらに、軍事攻撃を続けた場合、ホルムズ海峡の航行は再開できず、世界の石油供給が数か月にわたり滞る可能性があると指摘した。  

強硬派の批判者から、より強い対応を取らない理由を問われると、トランプ大統領は次のように述べた。  

「さらに強硬な手段は、あと2〜3週間攻撃を続け、徹底的に爆撃することだ。しかし、それで何が得られるのか。ホルムズ海峡の航行は再開できなくなる」  

そのうえで、「爆撃を続ければ、海峡は事実上閉鎖されたままとなる」とし、「こうした事態は世界的な経済危機を招くおそれがある」と述べた。  

この覚書は、最終合意に向けた60日間の交渉を開始する枠組みである。トランプ大統領は、この合意により当初の目標はすでに達成されているとの認識を示した。  

また、記者から大統領権限の限界を認識したか問われると、「制限はない。私は制約を受けていない。そのような教訓は感じていない」と述べた。  

一方で、「限界があることは理解しているが、実際には制約を受けていない。我々は軍事的に彼らを完全に打ち負かした」とも語った。  

さらに、この戦争については、アメリカの軍事力を示したものだとの認識を示した。  

「このような封鎖を実行できる者が他にいるだろうか。私は海上封鎖を実施し、一隻も通過できなかった。通過を試みた船もあったが、長くは続かなかった」  

そのうえで、この合意は「実質的には」これまでイランに求めてきた「無条件降伏」にあたる可能性があると述べた。  

トランプ大統領、批判に反論  

トランプ大統領は18日、ソーシャルメディアに投稿し、自身が「弱腰」であるとする批判を否定した。アメリカの株式市場が史上最高値を更新し、原油価格も下落していることを挙げ、判断の正しさを強調した。  

合意の締結と海上封鎖の解除を受け、ホルムズ海峡の航行は回復しつつある。海事情報会社Windwardによると、6月17日から18日にかけて少なくとも18隻の船舶が通過し、衝突発生以降で最多となった。  

アメリカ中央軍は18日、イラン沿岸地域への出入りに関するすべての海上封鎖措置を解除したと発表した。一方で、合意履行を確保するため、海軍は引き続き同地域に展開する。  

エネルギー価格もこれに伴い下落している。現在、アメリカ全土の平均ガソリン価格は1ガロン(3.8L)あたり4ドル(約640円)を下回り、3月末以来の低水準となっている。副大統領のヴァンス氏も18日早朝、ホルムズ海峡の航行回復に伴い、国際原油価格が1バレルあたりおよそ76ドル(約1万2000円)まで下落したと述べた。  

一方、この合意については議会内から批判も出ている。上院少数党院内総務でニューヨーク州選出の民主党のシューマー上院議員は記者団に対し、トランプ大統領の交渉対応は「極めて不適切だった」と述べ、アメリカの状況は戦争開始前より悪化していると指摘した。  

シューマー氏は「これはアメリカにとって最大級の災害の一つと見なされるだろう。その原因はトランプ大統領がこの戦争を始めたことにある」と批判した。  

また、バーモント州選出の民主党のウェルチ上院議員も、イランは依然としてホルムズ海峡の支配を通じて交渉上の重要な手段を維持していると指摘した。そのうえで、今回の軍事衝突は政権交代やイランのミサイルおよび核計画の終結といった目標を達成できなかったと批判した。  

陳霆
関連特集: イラン情勢