W杯2026 39歳メッシはなぜ衰えないのか 食事・トレーニング・習慣の全貌

2026/06/25 更新: 2026/06/25

39歳でワールドカップ得点トップに立つメッシ。年齢の壁を超え続ける背景には、徹底した食事管理と機能的トレーニング、そして規則正しい生活習慣がある。幼少期の逆境を乗り越えた不屈の精神と最新のコンディショニング戦略に迫る。

激しい競争が繰り広げられるサッカーの世界において、年齢は通常、選手にとって避けがたい限界となる。しかし、アルゼンチンのスーパースター、メッシは39歳でワールドカップに出場し、チームを決勝トーナメントへと導いたうえ、現時点では、得点がトップになっている。  

これはメッシにとって6度目のワールドカップ出場である。多くの選手がすでに現役を退いている年齢にあってもなお、最高のコンディションを維持するため、彼は厳格なフィジカル管理と食事管理を徹底して実践している。

幼少期の逆境を乗り越えたサッカーの天才

メッシのサッカー人生は決して順風満帆ではなかった。世界的スターとなる以前、彼がまず学んだのは逆境と向き合うことであった。

4歳からサッカーを始めたメッシは、成長期において同年代と比べて身長の伸びが著しく遅れていた。10歳の時点で身長はわずか125センチであった。11歳のとき、成長ホルモン分泌不全症(Growth Hormone Deficiency, GHD)と診断される。この疾患は子どもの成長発達の遅れを引き起こすものである。

同年代の子どもたちに追いつくため、メッシは11歳という若さで、3年間にわたり毎晩自ら脚に成長ホルモンを注射し続けた。繰り返される痛みに耐えながら治療を続けた経験は、不屈の意志を育み、それが彼の最も際立った特徴となった。

パフォーマンスを支える5つの食事原則

最高レベルの運動能力と身体状態を維持するため、メッシの栄養チームは専用の食事プランを設計している。そこでは「精製糖」および「単純炭水化物」を徹底的に控えている。

日々の食事は、五つの基本的な食品カテゴリーに基づいて厳格に管理されている。

(1)高品質な水分補給:十分な水を摂取し、体内の水分バランスを保つ。
(2)エクストラバージンオリーブオイル:主な調理油として使用し、心血管の健康に寄与するオレイン酸を豊富に含む。
(3)全粒穀物:低GIの複合炭水化物で、血糖値の安定、体脂肪のコントロール、持続的なエネルギー供給に寄与する。
(4)新鮮な果物:必須ビタミンや天然の抗酸化物質を豊富に含む。
(5)新鮮な野菜:食物繊維やミネラルを供給し、体調維持に重要な役割を果たす。

ピザと炭酸を断った転機

食事に対する極めて厳格な自己管理は、メッシがキャリアのピークを維持し続けるための重要な要素の一つである。

しかし、20代の頃の彼はピザやファストフード、炭酸飲料を好んでいた。その結果、度重なる負傷に悩まされ、試合前に嘔吐することさえあった。

転機となったのは2014年である。当時の監督ペップ・グアルディオラ氏から、「キャリアのピークを維持したいのであれば、炭酸飲料とピザを完全に断つべきだ」との助言を受けた。

同年、メッシはイタリアの栄養士ジュリアーノ・ポセール氏と協力関係を築いた。ポセール氏は「糖分は筋肉に悪影響を及ぼすため、可能な限り避けるべきである」と指摘し、精製小麦粉や赤身肉の摂取も大幅に減らす必要があるとした。かつて好んでいた炭酸飲料は、現在ではマテ茶に置き換えられている。

その年の夏以降、メッシの体重は約3キロ減少し、その状態を長期にわたって維持している。この食生活の全面的な見直しは、その後の負傷率を大きく低下させ、多くの選手が衰え始める年齢を過ぎても、トップレベルでのプレーを可能にしている。

彼は特別な、あるいは極端な食事法を採用したわけではない。従来の食習慣を徹底的に見直し、改善したに過ぎないのである。

その結果、メッシはこの12年間、ピザと炭酸飲料を一切口にしていない。日常の食事では、グリルチキンと根菜類の組み合わせを好み、調理には少量の塩とわずかなオリーブオイルのみを使用する。シーズン中はアルコールを摂取せず、魚を積極的に取り入れ、バーベキュー(アサード)はごく限られた機会にのみ楽しむ。

高度なフィジカルトレーニング

メッシは週5日トレーニングを行う。内容は機能的トレーニングとサッカーに特化したトレーニングが中心である。重視しているのは筋肉量の増加ではなく、初動の爆発的な加速力を維持することである。

ジムでは各種の機能的トレーニング機器を用い、普段使われにくい深層の安定筋群を鍛えている。これらの筋肉は一般的なトレーニングでは見落とされがちである。

背中、腹部、臀部の筋群を強化することで、体幹の安定性を高め、低重心による機動性と爆発的なスピードを維持している。その結果、若いディフェンダーと対峙しても余裕を持って突破できるのである。

また、腹筋運動などの体幹トレーニングも日常的に取り入れている。

では、身体の回復はどのように行っているのか。メッシの答えは極めてシンプルである。規則正しい睡眠こそが最も重要である。

曾子衡
関連特集: W杯2026