中国「新一線都市」杭州で不況鮮明 貯蓄頼みの生活に

2026/06/26 更新: 2026/06/26

中国経済の低迷が続くなか、中国で最も経済活動が活発な「新一線都市」の一つとされる杭州でも、不況の影響が目立ち始めている。地元住民によると、かつてにぎわっていた商業街では、空き店舗率が50%を超える場所もあり、不動産価格の下落や就職難も続いている。市民生活は厳しさを増し、多くの人が貯蓄を取り崩しながら暮らしているという。

浙江省の省都である杭州は、中国でも経済が発達した都市の一つで、新一線都市の中でも上位に位置づけられてきた。しかし現在は、消費の節約志向が強まっている。一部の商業街では、好立地の店舗でも居抜きでの譲渡が相次ぎ、空き店舗が増えている。

杭州の武林里には、数百軒の婦人服店やアクセサリー店が集まり、杭州発のファッションブランド「江南布衣」などの有名ブランドも出店していた。しかし現在は、一帯で空き店舗が目立つようになっている。

杭州在住の張怡さん(仮名)は、「大規模に空き店舗が出ている。見たところ、空き店舗率は50%ほどだ。最盛期には、江南布衣やOTTなど杭州発の婦人服ブランドが集まり、300軒以上の婦人服店があった」と話した。

景気の冷え込みは飲食業にも広がっており、飲食店の経営者からも苦境を訴える声が出ている。

飲食店を営む蘇雲さん(仮名)は「うちは飲食店だが、経営がうまくいかない店は閉めるしかない」と語った。

地方から杭州に出て働く夏軍さん(仮名)は、杭州で働き始めて10年近くになる。夏さんによると、今年の雇用環境は例年よりさらに厳しく、すでに数カ月失業しており、杭州を離れることも考えているという。

「通り沿いの店の多くに『譲渡』の張り紙が出ている。以前は非常に人気があった未来科技城の不動産価格も、今では半値近くまで下がっている。杭州は物価が高い一方で、賃金は低いという典型的な都市だ。ラーメンを一杯食べても、出前を頼んでも30元ほどかかる。それなのに、新卒が月給4千〜5千元の仕事を見つけることさえ難しい」

フリーランスの金明さん(仮名)は、大学卒業後に地元を離れて働いていた。ここ数年で杭州に戻り、生活の厳しさを目の当たりにして、感慨深いという。

「変化はとても大きい。特に経済状況だ。多くの人が、これまでの蓄えを取り崩して生活している。政治的にはますます閉鎖的になっており、経済が下り坂になるのは避けられない。庶民の暮らしは厳しくなっている。それなのに、中央テレビのニュース番組を見るたびに、実態とかけ離れた景気のよい話ばかりが報じられている。みんな内心では分かっており、内輪では皮肉交じりに受け止めている」

金さんによると、杭州は沿海部の都市として、かつては人々の暮らしや市場経済、民間経済の面で、中国国内の他地域よりも比較的恵まれていた。しかし近年は、その基盤も大きな打撃を受けているという。

「市場経済、とりわけ浙江省の民間経済は大きな打撃を受けている。商売をやめても、企業経営者にはほかにできる仕事がない。工場が空いたままになったり、借入金を返せなくなったり、労働者が失業したりしている。事業を続けても、利益が出るとは限らない。まずは生き残ることを考えるしかない」。

 

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