元国家副主席めぐり軟禁説 中共上層部人事に憶測広がる

2026/07/16 更新: 2026/07/16

中国共産党(共産党)上層部を巡る人事を巡り、さまざまな情報が流れている。元政治局常務委員の王岐山と元中央組織部長の陳希について、事情に詳しい関係者は、両者が現在、軟禁状態に置かれていると証言している。

72歳の陳希は6月、中央党校校長と国家行政学院院長を相次いで退任した。後任はいずれも政治局常務委員の蔡奇が兼務している。退任後は、中国のインターネット上で、副国家級から副庁級へ大幅に格下げされたとの情報や、軟禁状態に置かれているとの見方が広がった。

王岐山は第18回党大会後、中央規律検査委員会書記として反腐敗運動を主導した。2018年に国家副主席に就任し、2023年3月に退任した。その後は側近や旧部下が相次いで失脚したと伝えられている。

豪州在住の法学者、袁紅氷氏は、中共内部の関係者から得た情報として、「近年、党・政府幹部の間では職務怠慢や消極的な行政運営が広がる一方、習近平指導部による監視体制は一段と強化されている」と指摘した。そのうえで、党内では指導部を巡る亀裂を懸念する声も出ているとしている。

袁氏は、王岐山と陳希が軟禁された背景についても言及した。

袁紅氷氏によると、習近平が権力を掌握して以降、陳希は人事・組織部門を統括し、中央党校と中央組織部を通じて党・政府幹部の人事を主導してきたという。

一方で、陳希が登用した幹部の間で「躺平(寝そべり)」と呼ばれる消極姿勢や職務怠慢が広がり、党・政府機関の機能低下につながっているとの見方が党内で浮上しているという。習近平が陳希の人事を問題視したことが、退任につながった可能性があると分析している。

また、袁氏は、王岐山について「反腐敗運動を支えた中心人物であり、公然と責任を問えば、これまでの路線そのものへの疑問につながりかねない」と指摘。陳希についても、長年にわたり人事部門を担ってきたことから、「政治的な責任を公表すれば党内への影響が大きい」として、当面は軟禁という形が取られているとの見方を示した。

さらに袁氏は、党内部の関係者の話として、王岐山が秘書に対し資金力と武装組織に関する発言をしたと紹介。そのうえで、こうした動きは習指導部にとって警戒材料になっている可能性があると分析した。また、治安維持部門でも職務怠慢が広がり、反体制運動への対応力が低下しているとの見方も示した。

米誌「ディプロマット」は6月、習氏が第21回党大会での続投を見据え、軍上層部に続いて党内重鎮への圧力を強めており、その対象には王岐山も含まれると報じた。

同誌によると、中共当局は王岐山に対する具体的な容疑を公表していないが、王岐山は北京で軟禁状態に置かれ、2023年10月以降は官製メディアへの登場もなくなったという。また、王岐山に近い政財界関係者に対する整理も進められていると伝えた。

同誌は、王岐山はこれまで習近平に反対する立場を取ってこなかったものの、その知名度や党内での人脈が習氏にとって潜在的な懸念材料になっていると分析。中央軍事委員会副主席・張又俠についても、軍内での影響力を警戒していると報じた。

独立系政治評論家の蔡慎坤氏は11日、X(旧ツイッター)への投稿で、当初は陳希を降格処分にとどめる方向だったと語った。

しかし、その後の北京市政治協商会議主席に対する調査で陳希に関する問題が浮上し、処分方針が変更された可能性があると指摘。最終的には党籍・公職の剥奪や刑事責任の追及に発展する可能性があるとの見方を示した。

新唐人
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