米国 中国の越境弾圧に対抗し法輪功を保護すると表明

2026/07/22 更新: 2026/07/22

アメリカは外国政府による威圧や脅迫から地域社会を守ると、国務省がエポックタイムズに明らかにした。

 

【ワシントン】アメリカ政府は、中国共産党(中共)政権がアメリカ国内で行う越境弾圧に対抗し、法輪功学習者など、被害を受けやすい集団を守る方針だ。アメリカ国務省がエポックタイムズに明らかにした。

国務省報道官は7月21日「われわれは、主権を守り、地域社会の安全を確保するとともに、アメリカ国内の人々を沈黙させ、脅迫し、嫌がらせを行い、危害を加え、あるいは威圧しようとする外国政府や政権の行き過ぎた行為から、個人を守ることに尽力している」と述べた。

さらに、「中共による弾圧は中国国境をはるかに越えて広がっている。当局者やその代理人は、アメリカを含む海外で、中共に批判的な人々を脅し、嫌がらせを行い、威圧している」と語った。

法輪功は「真・善・忍」の理念に基づく瞑想修煉法で、口コミによって急速に広まり、1990年代には推定7千万人から1億人が実践していた。

今年の7月20日、法輪功学習者は中共による迫害開始から27年を迎えた。

国務省当局者は、「中国共産党は1990年代には法輪功の運動を奨励していたが、その後、政治的な理由から、この精神修煉法を根絶する運動を展開し、中国国内および世界各地の学習者とその家族を標的にしてきた」と述べた。

ニューヨークに拠点を置く法輪大法情報センターは最近の調査で、2020年からの5年間に、600件を超える越境弾圧の事例を記録した。

国務省は「中国共産党はアメリカやその他の国々で越境弾圧を行っており、しばしば中国系移民社会を標的としている。特に、人権擁護者や活動家、学生、ジャーナリスト、反体制派のほか、香港人、ウイグル人、チベット人、法輪功を含む特定の宗教・精神的集団の信奉者が対象となっている」と述べた。

越境弾圧への懸念を一層高めているのが、新たに採択された中国の民族団結法である。批判する人々は、この法律によって中共政権がアメリカやその他の国々にいる人々を標的にできるようになると指摘している。

7月19日、ニューヨーク市で、中国共産党による法輪功への27年間にわたる迫害の停止を求めるパレードに参加する法輪功学習者(Larry Dye/The Epoch Times)

「自国民の敵」

超党派の議員らも、法輪功学習者とともに迫害開始の節目に声を上げた。

中共は、法輪功の人気が政権の権力を脅かすことを恐れ、1999年7月20日、この修煉法を根絶するための残酷な運動を開始した。数え切れないほどの学習者が恣意的な拘束、強制労働、拷問を受け、強制臓器収奪によって死亡した者さえいる。

上院外交委員会に所属するリック・スコット上院議員(共和党、フロリダ州)は、ビデオメッセージで「中国共産党はアメリカの生活様式に対する直接的な脅威であり、自国民の敵である」と述べた。

スコット氏は、昨年、下院で共同提出した「法輪功保護法案」について、中国で国家の承認の下に行われている強制臓器収奪に責任を負う、または加担した個人に対し、アメリカが制裁を科すことを可能にするものだと説明した。

スコット氏は、「われわれは決して声を上げることをやめてはならず、中共政権に、その恐るべき犯罪の責任を負わせなければならない」と述べた。

2023年7月11日、ワシントンの米連邦議会議事堂で記者会見に臨むリック・スコット上院議員(共和党、フロリダ州)(Madalina Vasiliu/The Epoch Times)

同法案は2025年5月に下院を通過した。上院版の「法輪功および強制臓器収奪被害者保護法案」は2026年6月、上院外交委員会を通過した。

下院外交委員会に所属するジョー・ウィルソン下院議員(共和党、サウスカロライナ州)は、迫害を終わらせるための取り組みを称賛した。

ウィルソン氏は声明で、「中国共産党は自由を恐れている。法輪功に対する暴力は容認されない」と述べた。

「進行中の犯罪」

大紀元は2006年、中国共産党が良心の囚人、主に法輪功学習者を殺害し、移植手術のために臓器を摘出していることを初めて報じた。

この疑惑はその後、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏を含む独立調査員によって確認された。マタス氏は著書『血まみれの臓器狩り』に調査結果をまとめている。

2018年6月20日、ワシントンで、デービッド・キルガー氏(左)とともに「フレンズ・オブ・ファルンゴン人権賞」を受賞した後の集会で演説するデービッド・マタス氏(右)(Samira Bouaou/The Epoch Times)

2019年、ロンドンを拠点とする独立民衆法廷「中国法廷」は、中共政権が長年にわたり良心の囚人から臓器を強制的に摘出しており、法輪功学習者が主な被害者であると結論付けた。

同法廷は、法輪功学習者とウイグル人の囚人に対して特に実施された医学検査について、「臓器機能を評価するために用いられる方法であることを強く示している」と認定した。

エポックタイムズの上級編集者ジャン・イェキレック氏は、3月に出版されたベストセラー『Killed to Order(仮訳:注文による殺害)』で、その証拠を詳しく説明した。同書は、中共政権による産業規模の強制臓器収奪が、推定90億ドル規模の産業へと発展した経緯を検証している。

サム・グレーブス下院議員(共和党、ミズーリ州)は書簡で、中国共産党による法輪功への行為を「残酷で不当だ」と非難した。

グレーブス氏は、中国共産党について、「殺人、臓器収奪、大規模な不当投獄、到底容認できない拷問といった人権侵害を日常的に行っている」と述べ、これらの行為は「共産主義イデオロギーを推進する」ために行っていると指摘した。

さらに、「こうしたジェノサイド行為は取り返しがつかず、今日の世界に存在する余地はない」と述べた。

エマニュエル・クリーバー下院議員(民主党、ミズーリ州)は、宗教の自由は「中国の法輪功学習者にあまりにも長い間認められてこなかった」権利だと述べた。

クリーバー氏は書簡で「信仰や平和的な実践、精神性との関わりを理由に逮捕、拘束、殺害されることは容認できない。人間性を守るために立ち上がることは、迫害に反対することである」と述べた。

2016年11月8日、ミズーリ州カンザスシティーのアップタウン・シアターで演説するエマニュエル・クリーバー下院議員(民主党、ミズーリ州)(Whitney Curtis/Getty Images)

1999年に迫害が始まってから4か月後、クリス・スミス下院議員(共和党、ニュージャージー州)は、迫害を非難する決議案を提出した。

今年7月21日、スミス氏は「強大な権威主義政権からの激しい圧力と脅迫にもかかわらず、法輪功の不屈の精神は打ち砕かれていない」と述べた。

スミス氏は声明で、迫害は「すでに閉じられた歴史の一章ではない」とし、「現在も続く犯罪であり、責任を負う者は、自らが裁きを受けることになると知るべきだ」と述べた。

また、アメリカに対し「拘束されているすべての学習者の釈放を求め、法輪功に対して行われた残虐行為に責任を負う中国共産党当局者に制裁を科す」よう求めた。

5月14日、ワシントンの連邦議会議事堂で開かれた公聴会に出席する、米議会・行政府中国問題委員会共同委員長のクリス・スミス下院議員(共和党、ニュージャージー州)(Madalina Kilroy/The Epoch Times)

越境弾圧

法輪大法情報センターは6月の報告書で、2024年にブルックリンで行われたパレードで、複数の法輪功学習者が暴行を受けた事例を挙げた。

別の事件は2月、ニューヨーク市最大のチャイナタウンがあるフラッシング地区で起きた。全身の大部分を黒い服で覆った男が法輪功学習者の後頭部を殴り、地面に倒した。

ガス・ビリラキス下院議員(共和党、フロリダ州)は、こうした事件に「深く憂慮している」と述べた。

ビリラキス氏は「外国政府が、アメリカ領内で憲法上の権利を合法的に行使している個人に嫌がらせを行い、脅し、抑圧しようとするいかなる試みも容認できない」と述べた。

1月22日、ワシントンの連邦議会議事堂で開かれた国際宗教間会議「自由の下での団結――精神的外交官の台頭」で演説するガス・ビリラキス下院議員(共和党、フロリダ州)(Madalina Kilroy/The Epoch Times)

下院の中国共産党に関する特別委員会に所属するビリラキス氏は、2024年に「越境弾圧政策法案」を提出した。同法案の条項の一つは、越境弾圧に責任があると認定された外国の行為者に対し、アメリカ大統領が資産制裁と査証制裁を科すことを求めている。

ビリラキス氏は、中国共産党による運動に直面しながら勇気を示す法輪功学習者を称賛し「真・善・忍」への学習者の揺るぎない姿勢は、「専制政治が人間の精神を決して消し去ることはできないという力強い教訓になっている」と述べた。

ジェームズ・ウォーキンショー下院議員(民主党、バージニア州)とトム・ティファニー下院議員(共和党、ウィスコンシン州)はともに、迫害開始の節目は連帯の重要性を改めて思い起こさせるものだと述べた。

ウォーキンショー氏は、アメリカは長年、信教の自由を支持してきたとし、この厳粛な日は、人権侵害の責任を追及し、基本的自由を推進する国際社会の責任を改めて思い起こさせるものだと述べた。

2026年7月20日、ニューヨーク市で、中国共産党による法輪功迫害開始から27年を迎え、追悼集会に参加する法輪功学習者(Larry Dye/The Epoch Times)
Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。
台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。