日中関係 70年の呪縛を超えて 静かに進む「脱中国依存」

2026/08/11 更新: 2026/08/11

論評

70年以上にわたり、中国における日本の戦時中の行為という負の遺産が日中関係に暗い影を落としてきた。

その間、日本は中国との関係において、慎重な綱渡りを続けてきた。政治的な摩擦を抱えながらも対中貿易の拡大を図り、経済的な結びつきの深化が両国関係の安定につながることを期待してきたのである。

しかし、そうした時代は終わりを迎えつつあるようだ。

誤解のないよう付け加えておくが、日本が中国から全面的に「デカップリング(切り離し)」しているわけではない。実際、中国は依然として日本最大の貿易相手国である。

とはいえ、日本の経済・安全保障政策における方向転換を見過ごすことはできない。

日本政府は、重要なサプライチェーン、安全保障、先端技術、そして外交チャネルに至るまで、あらゆる分野で中国への戦略的依存を減らそうとする姿勢を鮮明にしている。その変化は劇的ではなく段階的だが、着実であり、もはや後戻りできない流れになりつつある。

「中国支配」なき未来を目指して

こうした政策転換は、何の背景もなく突然起きたわけではない。世代交代と、日本の将来に対する見直しを背景とした、日本社会の意識の大きな変化を映し出している。

一方で、この比較的新しい見方を後押ししているのは、地域における中国のますます攻撃的な行動だ。近年の中国(中国共産党、以下中共)の強硬な振る舞いが、結果として日本の新しい指導層の認識変化と行動を加速させた。彼らは、あらゆる重要分野で中共に主導権を握られることに、何のメリットも見出していない。

他方で、日本の新世代の政治指導者たちは、過去の歴史にとらわれていない。自分たちが生まれるはるか以前に起きた出来事について、謝罪すべき道義的必要性も感じていない。

彼らの目に映っているのは、日本を含む地域全体の支配を目指す中共の姿である。

レアアース、中共が選んだ武器

中共が意に沿わない国々に圧力をかける手段として、レアアース(希土類)を利用してきたことは、すでに周知の事実だ。最近の台湾有事をめぐる摩擦では、中共は数か月にわたり日本への重要鉱物の供給を制限した。

2025年末から2026年にかけて、台湾問題をめぐる外交的緊張の高まりと、日本の防衛態勢拡大への反発を背景に、中国は複数の重希土類元素や軍民両用資材の対日輸出を大幅に制限した。この措置は、ジスプロシウム、テルビウム、ガリウム、イットリウムといった、日本の防衛産業や先端技術産業に不可欠な鉱物にまで及んだ。

厳しい現実として、レアアースの採掘、とりわけ精製の工程において、中国は圧倒的な優位を握っている。レアアースは半導体、精密誘導兵器、EV、先進レーダーシステム、航空宇宙関連部品、そして高性能永久磁石に不可欠だ。

つまり、他の先進国と同様、日本経済の多くはレアアースの安定的かつ確実な供給に依存している。そして、そのサプライチェーンにおいて中共が圧倒的な影響力を握っていることは否定できない。

日本にとって、そこから得た教訓は明白だった。

経済的依存は、そのまま安全保障上の脆弱性となる。日本は、サプライチェーンを中国に依存することがどれほど大きなリスクを伴うのかを痛感している。とりわけ、自国の政策が中共の方針と合わなくなったとき、終身指導者となった習近平の気まぐれな意向に、日本がどれほど左右されかねないかを、である。

日本は教訓を得た

もちろん、今年のレアアースをめぐる騒動は、日本が中共の経済的威圧に直面する初めての経験ではない。

2010年の尖閣諸島をめぐる対立の後、中共は対日レアアース輸出を大幅に絞り込み、日本の製造業が抱える脆弱性を露呈させた。

それ以降、日本は着実に供給元の多様化を進め、オーストラリアのライナス・レアアース社への投資、リサイクル事業の拡大、戦略備蓄の構築、代替材料の研究開発への資金投入などに取り組んできた。

今回の新たな輸出制限は、こうした取り組みを一層加速させたに過ぎない。

日本政府は現在、南鳥島周辺のレアアース鉱床の開発に多額の投資を行っている。最近実施された深海採掘の試験では、レアアースを豊富に含む海底泥の採取に成功しており、将来的には中国産への依存を軽減できる。

日本は、この地域における日中の戦略的な力の不均衡そのものを変えようとしているのだ。

日本の最前線

こうした変化が最も鮮明に表れているのは、おそらく台湾をめぐる姿勢だろう。

高市早苗首相は、中共による台湾への武力行使は日本の存立危機事態になりうる、現行の安全保障関連法のもとで、日本による武力行使(集団的自衛権の行使)につながる可能性があるとの見解を示した。この発言は中共との間に深刻な外交危機を引き起こし、輸出管理の強化や日本の産業に影響を及ぼす各種規制など、経済的な報復措置を招いた。

日本側の戦略的な論理は明快だ。

台湾は、日本の南西諸島の連なりのすぐ隣に位置している。中共が武力によって台湾を掌握すれば、西太平洋における軍事バランスは根本から変わり、日本の海上交通路やエネルギー輸入の生命線が脅かされることになる。

日本の政策担当者の間では、台湾の安全保障は日本自身の安全保障と切り離せないものだ、という見方が強まりつつある。

日本、さらなる「戦略的自律」を追求

日本の政策は、その発言内容と着実に足並みを揃えつつある。最新の防衛白書は、特に台湾周辺や日本の南西諸島付近における軍事活動をめぐり、中共雨を最も重大な長期的・戦略的課題と位置づけている。

その結果、防衛費はGDP比でおよそ2%に達し、第二次世界大戦後最大規模の軍備増強となっている。

この増強には、長射程の打撃用ミサイルの取得、ミサイル防衛の拡充、そしてドローンやAIへの大規模な投資が含まれる。さらに、サイバー能力の強化や、アメリカ、オーストラリア、フィリピンをはじめとするインド太平洋地域のパートナー諸国との防衛協力の深化も進めている。

日本政府は理解している。台湾をめぐる中共の攻勢が強まるいま、自らの手で国家としての自律性を守るために動くか、それともそれを失うか、その二者択一に迫られているのだと。

『中国危機』(Wiley、2013年)の著者であり、自身のブログTheBananaRepublican.comを運営している。南カリフォルニアを拠点としている。
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