NVIDIA製AIサーバー74台を中国へ不正輸出か 台湾で8人起訴

2026/08/25 更新: 2026/08/25

台湾・基隆地方検察署は、NVIDIAのB300を搭載した米Supermicro(スーパー・マイクロ・コンピュータ)製の高性能AIサーバーを、中国に不正に輸出したとして、関係者8人を起訴した。

検察によると、台湾のIT企業「飛虎科技」は、機器の設置先が台湾であるとする虚偽の書類を提出し、Supermicroからサーバー130台の出荷承認を得たとされる。

このうち74台は、中国に直接輸出されたほか、インドネシアや日本を経由して中国に送られたという。飛虎科技側は、6億7000万台湾ドル以上(約33億円)の不正利益を得た疑いが持たれている。

B300を搭載した高性能AIサーバーは、人工知能や高性能計算に使われる。NVIDIAとSupermicroは、輸出先や最終使用者、用途を確認し、厳格に管理している。

購入希望者は、NVIDIAが定める審査を受け、ホワイトリストに登録される必要がある。また、最終使用者と用途に関する書類を提出しなければならない。8台以上を購入する場合には、SupermicroとNVIDIAの担当者が現地調査を行うことになっている。

虚偽書類で130台の出荷承認を取得した疑い

台湾の基隆地検によると、飛虎科技の実質的責任者である陳容疑者と、同社の総経理を務めるC容疑者は、サーバーの転売で利益を得ようと考え、2025年2月ごろから日本法人を経由地として使う計画を立てていたとされる。

両容疑者は、Supermicro台湾法人の幹部や販売代理店の関係者、サーバーの設置場所を提供した通信会社グループの関係者らと共謀した疑いがある。

資金の出所に関する審査を免れるため、販売代理店を通じて発注を行ったほか、サーバーを設置したデータセンターが実際に稼働しているように見せかけたという。

C容疑者は2025年9月、Supermicroに提出した書類に、最終使用者を飛虎科技、設置国を台湾と虚偽記載したとされる。また、米国の制裁対象者への輸出や再輸出は行わず、米国の輸出管理規則を守ると宣誓していた。

検察は、関係者がNVIDIA台湾法人の現地調査担当者もだましたとみている。Supermicroはこの後、B300搭載サーバー130台の販売を承認したという。

飛虎科技は、130台のサーバーを中国の買い手に分けて転売したとされる。このうち74台が中国に不正に輸出されたという。

陳容疑者とC容疑者は、合わせて2120万5531米ドル(約33億3000万円)の不正利益を得たとされる。Supermicroの営業担当者2人は、それぞれ6万2804米ドル(約990万円)と8万3872米ドル(約1320万円)の販売奨励金を受け取ったとみられる。

台湾当局が56台の輸出計画を阻止

残る56台については、飛虎科技名義で日本法人に輸出する計画だった。しかし、台湾の財政部関務署が不審な点を把握し、輸出には経済部国際貿易署が発給する「戦略的ハイテク貨品輸出許可証」が必要だと通知した。

国際貿易署が許可証を発給していなかったため、この輸出計画は海巡署基隆取締隊に摘発され、実行されなかった。

基隆地検は、計3回の家宅捜索を行い、被告7人を勾留した。捜査を終えた検察は、関係者8人を背任や文書偽造などの罪で起訴した。

検察は、被告らが巨額の利益を得る目的で組織的に結託し、高性能サーバーを不正に輸出したと指摘した。この行為は、企業の法令順守に伴う負担を増やしただけでなく、台湾の国際的な信用を損なったとしている。

主犯格とされる陳容疑者について、検察は、飛虎科技の資金不足や、代金の出所が中国企業だったことを意図的に隠した疑いもあるとみている。検察は陳容疑者に懲役5年を求刑した。

袁世鋼
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