中露艦艇 日本周辺で相次ぎ航行 統幕が4件公表 津軽・対馬海峡、奄美沖を通過

2026/09/15 更新: 2026/09/15

防衛省統合幕僚監部は9月14日、日本周辺海域で確認したロシア海軍艦艇3件、中国海軍艦艇1件の計4件の動向を相次いで公表した。津軽海峡周辺から鹿児島県・奄美大島沖まで、日本周辺の広い海域で各艦の活動を確認した。中国とロシアによる日本周辺での海洋活動が常態化している実態が、改めて浮き彫りになった。

ロシア艦艇3件 津軽海峡と対馬海峡を通過

統幕によると、9月11日正午頃、海上自衛隊は龍飛崎(青森県)の西約380キロの海域で、東進するロシア海軍のウダロイⅢ級駆逐艦(艦番号543)、ウダロイⅠ級駆逐艦(同564)、ドゥブナ級補給艦の計3隻を確認した。3隻は翌12日、津軽海峡を東進して太平洋へ進出した。駆逐艦2隻と補給艦1隻から成る編成は、太平洋方面での長期行動を見据えたものとみられる。

同じ11日午後には、長崎県・男女群島の南西約210キロの海域で、北進するロシア海軍ヴィシニャ級情報収集艦(艦番号208)が確認された。同艦は12日、対馬海峡を北東進して日本海へ向かった。

統幕によると、同艦は6月27日に対馬海峡を南西進した後、沖縄本島・宮古島間や沖大東島周辺の接続水域を航行し、9月9日から10日にかけても南西諸島周辺で確認した艦と同一である。同一の情報収集艦が2か月以上にわたり、日本周辺の広い海域を航行していたことになる。継続的な情報収集活動を行っていた可能性がある。

さらに12日午後には、対馬(長崎県)の北東約200キロの海域で、南西進するロシア海軍ステレグシチー級フリゲート(艦番号343)を確認した。同艦は12~13日にかけて対馬海峡を南西進し、東シナ海へ向かった。ロシア艦艇は同時期、対馬海峡で北東進と南西進のそれぞれの航行を行っていた。

中国海軍の情報収集艦 奄美大島沖から太平洋へ

中国海軍の動きも確認した。13日午前4時頃、海上自衛隊は奄美大島(鹿児島県)の西約70キロの海域で、南東進する中国海軍ドンディアオ級情報収集艦(艦番号799)を確認した。同艦は奄美大島と横当島の間の海域を北東進し、太平洋へ進出した。

ドンディアオ級は、電子情報の収集を主な任務とする情報収集艦である。自衛隊や米軍を含む周辺国の活動に関する情報収集を目的とした可能性がある。

防衛省・自衛隊は、護衛艦「いずしま」「おおたか」やP-1、P-3C哨戒機などを展開し、各艦艇に対する警戒監視と情報収集に当たった。いずれの発表にも、領海への侵入に関する言及はなかった。

中露の海洋活動常態化 日本の安全保障環境への影響

中国とロシアは2026年に入り、日本周辺での海空共同活動を活発化させてきた。

両国海軍は7月、中国・山東省青島市周辺で合同演習「海上連合2026」を実施した。演習後には、一部部隊が太平洋へ移動して「共同巡航」を行うと、中国国防省が発表した。

同月中旬には、中露の艦艇が沖縄本島と宮古島の間を共同で南下した。このうち中国海軍の艦艇が、日本の排他的経済水域(EEZ)内で射撃訓練を実施したことも確認した。EEZ内での中国海軍による射撃は異例であり、防衛省は中露連携の深化を示す動きとして警戒を強めている。

こうした流れの中で、ロシア・中国双方の艦艇が同じ時期に津軽海峡、対馬海峡、南西諸島周辺で活動をしたことに注目する。東シナ海から西太平洋にかけて、日本の警戒監視態勢に継続的な負荷をかける意図があるとみられる。統幕は引き続き、警戒監視を続ける方針である。

関連特集: 日本の防衛