中国企業トップ姿見せず 米中首脳のホワイトハウス晩餐会 専門家が背景を分析

2026/09/25 更新: 2026/09/25

米トランプ大統領は9月24日、訪米中の習近平を迎え、ホワイトハウスで国賓晩餐会を開いた。アメリカ側ではアップル、エヌビディア、テスラ、OpenAIなどの経営者が顔をそろえた一方、中国の主要企業トップは出席者リストに見当たらなかった。対米投資をめぐる協議の停滞、アメリカの対中規制、中国側の出国・情報管理を背景に、米中経済関係の隔たりが浮き彫りとなった。

中国企業トップの不在が注目を集める

晩餐会には、米中両国の公式代表団や政府関係者が出席した。アメリカ側からは、テクノロジー業界やビジネス界を代表する企業トップが多く招かれた。一方、中国の有力企業の経営者はほとんど姿を見せず、不在が注目を集めている。

24日の晩餐会には、アップルのティム・クックCEO、テスラのイーロン・マスクCEO、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOなど、アメリカを代表するテクノロジー企業の経営者が出席した。

一方、習近平が9月23日にアンドルーズ統合基地に到着した際、中国経済界を代表する企業関係者の姿はなかった。

訪米を検討した中国企業と代表団構想

複数の報道によると、習近平の訪米直前まで、北京とワシントンは中国企業の代表団派遣について協議していたという。

中国側は、トランプ大統領が今年5月に中国を訪問した際、エヌビディア、テスラ、アップル、ブラックロック、ボーイングなどの経営幹部が同行したことを受け、中国企業の大規模な代表団を派遣する構想を持っていた。

代表団の候補には、BYD、シャオミ(小米)、CATL(寧徳時代)、ハイセンス、中国銀行などの経営幹部が含まれていた可能性がある。

約1週間前の時点でも、中国企業には渡航準備を進めるよう通知が出ており、米ベッセント財務長官と何立峰中国副首相による最終調整を待つ状況だったという。

一部の中国企業幹部は独自に代表団を組んでワシントンに向かい、習近平の訪米に関連する行事への参加を探ったという。しかし、ホワイトハウスでの国賓晩餐会を含む首脳会談の主な行事への参加は認められなかったとみられる。

中国企業トップが姿を見せなかった理由

米中間の競争が激しくなるなか、中国企業はアメリカでの政治的なリスクを強く意識している。アジア・ソサエティ政策研究所のニール・トーマス研究員は、このような見方を示した。

アメリカは現在も中国製のEVに100%の関税をかけている。また、中国企業によるコネクテッドカーのアメリカ国内での販売にも規制を設けている。CATLとBYDは中国共産党軍との関係を指摘され、アメリカ国防総省のリストに掲載されている。中国のテクノロジー企業は、先端半導体の分野でも厳しい規制を受けている。

さらに、中国当局が9月15日に新たな出入国規則を導入したことも背景の一つとしている。この措置には、技術や知的財産が海外に流出するのを防ぐねらいがあるとの見方が出ている。

中国問題の専門家、林和立氏は、中国経済の低迷に加え、中国共産党当局が営業秘密の流出を警戒し、企業関係者の出国を制限していることも、中国企業や経営幹部が国内にとどまる要因になっていると指摘した。

中国のAI企業「DeepSeek(ディープシーク)」の創業者、梁文鋒氏や、「Moonshot AI(ムーンショットAI)」の創業者、楊植麟氏は、これまでに公表した訪米候補者のリストには含まれていなかった。

トーマス氏は、米中両国のAI業界を代表する人物が国賓晩餐会で顔を合わせれば、両国首脳の会談以上に注目を集めるとも指摘した。

ただ、アメリカ側にはそのような懸念はあまりなかったようだ。今回の晩餐会には、OpenAIのサム・アルトマンCEO、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、アルファベットのスンダー・ピチャイCEOも出席した。

米中投資対話はなぜ進展しないのか

シンガポールの南洋理工大学ラジャラトナム国際研究学院(RSIS)の上級研究員、ドリュー・トンプソン氏は、現在、米中間の投資をめぐる対話に進展は見られないと指摘した。そのうえで、中国財界人にとって今回の訪米には、具体的に協議する案件や目標がほとんどなかったとの見方を示した。

林氏も、今回の米中首脳会談では、双方が深刻な対立はないとの印象を国際社会に与えようとしているものの、実際には両国間の隔たりが解消されたわけではないと指摘した。晩餐会の華やかな演出は、残る対立を覆い隠しているにすぎないという。

高杉
関連特集: 米中貿易戦争