米国務省は10月19日、中国本土への渡航情報を更新し、「不当拘束(wrongful detention)」を示す「D」のリスク指標を新たに追加した。国務省は、中国では米国人が不当拘束に遭う深刻なリスクがあると認定している。
渡航情報では、中国本土を訪れる米国人に警戒を強めるよう呼びかけた。理由として、恣意的な法執行、公正で透明な法的手続きを経ない出国禁止措置、不当拘束のリスクを挙げた。一部地域では、さらに別のリスクもあるとしている。
国務省は英語大紀元への声明で、トランプ政権は米国人の安全確保を常に最優先していると表明した。陳友麟(Youlin Chen)氏とミン・ジン(Min Zin)氏をはじめ、海外で不当に拘束されているすべての米国人の解放に取り組んでいるという。
中国系米国人の地震学者、陳友麟氏は2024年11月、親族を訪ねるため北京を訪れた際に拘束された。ミャンマー政治を研究する米国籍のミン・ジン氏は今年6月初め、ミャンマー政治を研究する米国籍のミン・ジン氏は今年6月初め、昆明で開かれた学術会議に参加中、拘束された。
国務省は、米国人が中国で不当拘束に遭う深刻なリスクに直面していると判断したため、渡航情報にDのリスク指標を追加したと説明した。
一方、中国本土全体の渡航警戒レベルは変更せず、4段階のうちレベル2「警戒を強める」を維持した。
国務省は声明で、中国本土を訪れる、または現在滞在している米国人に対し、渡航情報全文と国務省の旅行情報サイトに掲載されている中国の渡航先情報を確認し、スマート・トラベラー登録プログラム(STEP)に登録するよう勧めた。
STEPに登録すれば、重要な安全情報を迅速に受け取れるほか、緊急事態や危機が発生した際、米国の大使館や領事館が本人と連絡を取りやすくなるという。
不当拘束なら数年間収監の恐れ 家族との連絡も制限
国務省は渡航情報で、不当に拘束された米国人は劣悪な環境の刑務所に数年間収監される可能性があり、適正な法的手続きを受けられなかったり、米政府関係者や家族との継続的な連絡を認められなかったりする恐れがあると警告した。
外国人旅行者は、中国国籍を併せ持つ人を含め、拘束や嫌がらせを受けるリスクがさらに高まる可能性があるとしている。
国務省は、中国共産党(中共)当局が一部の米国人を不当に拘束していると認定している。
また中共は出国禁止措置を次のような目的で利用していると指摘した。
- 中国(中共)政府や中共による捜査への協力を強要する
- 中国人に有利な形で民事紛争を解決する
- 出国を制限された人物の家族や関係者に圧力をかけ、海外から中国へ戻るよう迫る
- 外国政府との交渉で駆け引きの材料にする
「虚偽の内容への署名を強要」との報告も
国務省によると、中共が米国人に対し、特定の証言をしなければ出国禁止措置を解除しないと伝えたケースもある。対象となった米国人が、その証言は事実ではないと説明しても、証言を求められたという。
在中国米国大使館には、中共当局者が内容が事実ではないと認識しながら、米国人に書面への署名を迫ったとの訴えも寄せられている。民事や商取引上のトラブルを理由とする出国禁止措置が数年間続いたケースも複数あるという。
こうした出国禁止措置により、必要な治療を受けるため中国国外へ渡航できなくなった米国人もいると国務省は警告している。
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