12 人口200億人まで養える~自然農法で砂漠を農地に
ここ数年、気候変動のニュースは多くの人が見聞きするようになった。そして、干ばつや洪水によって農作物に大きな被害が出ていることも、少しずつ伝えられている。その一方、2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発のための2030年アジェンダ)は、2030年までに飢餓をなくす目標を立てている。
11. 子供の知性と運動能力~農場で得られる効果
日本の子供たちの運動能力に異変が起きている。前向きに転んだとき、とっさに手を出して支えることができず、顔をけがしてしまう子供が増えている。そんなニュースが伝えられたのは20年以上も前の話だ。スポーツ庁の調査(2019年度)によると、いまの子供たちは30年前に比べて運動能力が落ちていることがデータで分かり、とくに外遊びをしていない子供ほど、その傾向が強いことも分かった。
10. 人生の本当の喜びを得る~自然界とリンクする
現代人は、かつてないほど豊かな文明を築き上げてきた。しかし、心はどうだろうか。モノがあふれ、便利になればなるほど、むしろ時間に追われる生活になり、かえってストレスをためている人が多いのではないだろうか。もし、不思議なほどストレスが消えてしまう方法があるとしたら?
9. 病気にならない子供たち~免疫力を鍛え上げる
まだ小さな子供が熱を出すと、多くの親は心配になる。医者のところに連れていき、熱を下げる薬を要求する親が多いと聞く。はるか昔、自分がまだ子育て世代のころ、近所のある小児科医は「熱をすぐに冷ます薬を出してくれる良い先生」と評判だった。それは、新聞社を辞めてフリージャーナリストとして活動を始めたとき、地域社会で直接見聞きしてきたことだ。子供の発熱に耐えらない親は、すでに私の世代から始まっており、強い解熱剤を処方する医者が良い医者だとされていた。
8. 自給自足は可能か?~消費者から生産者の目線へ
異常気象や地震などの自然災害に加え、コロナウィルスのパンデミックも長期間にわたっている。もはや以前の暮しには戻れず、「新しい生活様式に慣れる必要がある」と世界中の政治家やマスメディアは発信し続けている。たとえ以前の生活に戻れないとしても、その先にある生活様式とは、具体的にどんなものなのだろうか。不安に満ちたものなのか、あるいは夢多きものなのか。
7. 肌がきれいになる農作業~善玉菌が全身を浄化する
土いじりをすると手が荒れる──。家庭菜園を楽しむ人にしろ、プロの農業者にしろ、なぜか土に直接触れると手が荒れる。そして、そのことは当たり前のこととして一般に受け止められている。子供たちに農業体験をしてもらう企画がテレビ番組で紹介される場面でも、畑で種播きしたり、苗を植えたり、あるいは収穫するとき、子供たちはビニール手袋をはめたうえ、さらに軍手をはめて参加する様子が映し出される。いま日本の農地は、素手で入ってはいけない危険地帯になっているのだ。
6. Halu農法~完全自然農法への道
自然農法の研究は、八方ふさがりからのスタートだった。肥料も農薬も使わないという自然農法の理想に魅せられて、いざ実践を始めてみたものの、浅はかな自分の性格を恨む日々が続いた。100年も続く自然農法の歴史と実践者のノウハウを頼れば、素人の自分でも何とかなると思っていた。しかし結論から書くと、何ともならなかった。チャレンジしたすべてに失敗した。
4. 自然農法の歴史と現在~量子物理学が農科学を進化させる
自然農法という言葉は、日本発祥とはいえ、まだ100年ほどの歴史しかない。また、明確な定義もない。日本では、古くから人糞肥料を使う習慣があり、さらに明治時代になってから化学肥料や農薬を使うようになったことで、農地が荒れ、不健康な農作物が一般に広がるようになっていた。そんな環境のなか、2人の先駆者が現れた。
3. がんの原因は肥料と農薬~石油由来の毒に注目せよ
原因不明で、かつ治療法もない病気を「難病」という。日本では年々増加し、令和元年7月の時点で国の指定難病が333個におよぶ。また、がんの罹患率は、いま日本人の2人に1人にもなり、ほかに脳卒中や心臓病、糖尿病など、いまや深刻な病気が誰にでも襲ってくる時代になっている。では、さまざまな病気の原因は何だろうか。そして、病気になることは決して避けられないのだろうか?
2. 栄養学のパラダイムシフト~素材の安全性はどうなのか
栄養学の専門家は、健康な生活を送るために「糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく食べよ」という。こうした栄養指導によって、人々は健康になるどころか、むしろ難病を含めた病気は増え続けている。厚生労働省の公式サイトでは、いまや日本人の2人に1人ががんになる時代だと警告している。
1. 人口爆発と肥料栽培の限界~資源は枯渇する
いま、世界人口は約77億人にのぼる。1950年の国連の統計によると、当時の世界人口は約25億人なので、わずか70年のあいだに3倍に増えたことになる。一方、世界の食料の生産量も、農水省の統計資料によると1960年に約8億tであったものが、2015年に約24億tと3倍に増えているため、数字の上では、食料不足にはなっていない。もちろん、全く問題がないというわけでない。
自然農法と自給自足 いまそこにある危機と個人が選ぶ解決策
コロナパンデミックが起こり、すでに一年が経過してしまった。テレビや新聞といった従来のマスメディアや、Facebook、YouTube、Twitter といった SNS で得られる情報からは、明るい未来がまったく見えてこない。