【エンタ・ノベル】麻雀の達人(8)-中運-
【大紀元日本7月12日】巨漢は、震え上がる満福をじっと見つめると何やら懐から一通の書状を取り出した。 満福が目をやると「…積善余得天地人三才中運…保険」などと何やら得体の知れない長いタイトルの生命保
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(7)-積善の家の余慶-
【大紀元日本7月8日】三人は、満福が完全に打ち負かされて精神的に崩壊したのを見届けると、さも得心が行ったという風に満足げに微笑み、「…では、終局にいたしましょうか」と告げた。 少しおいて、顔淵が「あ
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(5)-赤兎馬亭-
【大紀元日本6月28日】満福が気付くと、もう日が暮れているのだろうか、暗い坂道をトボトボと歩いていた。「はて、ここは横浜の山の手か?それにしても殺風景なもんだな。麻雀を打っていて…深酒でもしたのだろ
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(4)-九蓮宝燈-
【大紀元日本6月24日】満福が振り返ると、セカンドバッグの男は名刺を差し出した。「黒竜会金融CEO、張国強…(中華街でも悪名高い街金だな)」。「その張社長が、私に何の用ですかな?」男は、サングラスを
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(3)-悪夢の追憶-
【大紀元日本6月19日】満福は、このところ悪夢に苛まれるようになっていた。20年前に麻雀の勝負で自殺に追い込んだ黒龍楼の店主が夢枕に立つようになったのだ。確かに、若い頃の満福は天分の盲牌と積み込みの
【エンタ・ノベル】麻雀の達人(2)-祖母の血脈、不敗の盲牌-
【大紀元日本6月15日】満福が関帝廟での日課の祈りをすませる午後の昼下がり、見透かしたように携帯が鳴り始める。「はい、金ですが…いつものように朱雀の宿で…分かりました」。中華街の麻雀仲間から誘いが来
新連載!【エンタ・ノベル】麻雀の達人(1)-民は食を以って天下を為すー
【大紀元日本6月10日】金満福(53)は、広州から来た料理人であった金八財を祖父にもつ横浜中華街の料理人だ。既に、西門を入った裏路地の名店「満福楼」の店主として、いささかの社会的名声と成功を収めてい