中国政府が如何にして経済政策面で民衆を騙しているか

2005/04/29 更新: 2005/04/29

草庵居士(大紀元)

【大紀元日本ネット4月29日】政治経済評論家の草庵居士(居士=中国語、在家修練者の意味)が4月2日から3日にサンフランシスコのBay Areaを訪問し、2日に孫文記念館で行われた第12回「共産党についての九つの論評」の討論会に参加し、「中国政府が如何にして経済政策面で民衆を騙しているか」というタイトルで講演しました。以下は氏の講演内容の一部です。

1992年からの10年間、銀行不良債権が2.5倍、計2.4兆元となる

中国政府は、銀行の不良債権が全て過去の遺産だと言い続けてきました。つまり、1949年政権樹立から本日に至るまでたくさんの政治運動、自然災害を経たゆえ、これらの不良債権が作られたとして、責任を毛沢東達に押し付けたのです。

そこで私はある計算をしてみました。私が用いたデータは全て中国政府が公開したもので、これらの出典は異なる政府機関が公表したものです(皆自らを守るために数値をある程度加工していますが)。2000年にすでに1.4兆元の債権を回収不能としてカウントから外したが、2002年に中国4大銀行(中国、建設、農業と工商銀行)が公表した預金の総額は8兆元でした。この中に不良債権は26%あり、全部併せると預金総額の8兆元に対して3.4(=1.4+8.0×26% )兆元が回収困難となっており、全体の45%となりますが、中国共産党は「26%」と国民に説明しています。

1.4兆元とは如何なるものでしょうか?中国の人口を14億とすれば、国民一人当たりの負担金額が1万元とあまりにも大きい。 2002年中国の銀行の純利益が1千2百億元あまりで、1.4兆元を埋めるためには最低でも10年間が必要です。それも、この収益ベースで、売上げに対して給料・ボーナスとして一切支払いせず、乱用もされないほか、元金が増えないことが前提です。

共産党は2000年に1.4兆元の損失を計上させたことに対して、450億米ドルの外貨を使って穴埋めをしました。それでも銀行の内部情報によればまだ10兆元が回収不能となっているようです。ちなみに、10万億元とは中国大陸の1年近くのGDPに相当する額(材料費等を控除しないで)となっています。

中国大陸の預金総額は1992年の2.3兆元に対して、2002年に8兆元に増えてきました。ここで仮に不良債権が全体の45%とすれば、1992年当時の不良債権は1兆元でした。しかしながら、2002年になると不良債権が3.4兆となり、10年間に元の2.5倍相当の2.4兆元も増えたことになります。考えてみてください、中国の銀行の不良債権は歴史の遺産なのか、それとも江沢民・朱熔基時代の産物でしょうか?答えは明らかです。

中国共産党は香港で150億米ドルを騙し取ろうとしている

中国の銀行は今大急ぎで、海外で株式上場したいようです。私は経済界でお話しておりますが、それらが上場したら、私たちはすぐに訴えないといけません。つまり、上場させるわけにはいかないのです。共産党が率いるこれらの銀行は中国の株市場で詐欺した後、海外でまたやろうとしています。

当時の中国金融界の官僚は人民日報でこういう論調を繰り返していました:私たちの銀行はよい資産を持っており、海外の金融界は皆私たちに協力したがっている。今になって明らかになりましたが、モルガン・スタンレーでも、ドイツ銀行でも、メリルリンチ証券でも中国4大銀行の海外上場を敢えて避けています。

結果としてアメリカで株式上場できず、英国、シンガポールでも失敗したため、今中国政府が香港をその標的にしました。実現されたら香港市民が痛い目に遭うでしょう。経済力が強くても香港は人口数百万しかないので、中国政府の目標利益の150万米ドルに対してはあまりに弱いのです。

香港総督の董建華氏はまともな悪者です。中国は海外の中国銀行でも共産党の指導力を確保するために、銀行の会長を中国政府が任命するとしています。しかしながら、上場企業のルールとしては会長が株主総会で選出されなければなりません。アメリカの場合、会長が変われば銀行が中国政府のものでなくなる可能性があり、不良債権等の内部情報も暴露されてしまいます。

故に中国政府は香港を選びました。中国大陸で金儲けできなかった分、香港でしっかり利益を上げようとしています。そこで董建華氏は、「大陸企業の実情を考慮して彼らに特殊待遇を与えよう」と、つまり会長の人選を中国政府に任せよう、と言い出しました。無論、中国共産党にコントロールされたら、株主の投票は無意味となり、銀行も実質上彼らの金儲けの道具に過ぎなくなります。

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