中国では、消費者ローンを利用した人々が、銀行から「お金の使い道を証明する領収書を出せ」と迫られ、混乱が広がっている。
背景には、借りた資金を住宅購入や投資などに流用する利用者が増え、政府の金融監督当局が銀行に対し「資金の使い道を厳しく確認せよ」と指導したことがある。
SNS上には、利用者の悲鳴が相次ぐ。ある男性は10万元(約200万円)のローンを受け取って3日後、銀行から「領収書を提出せよ」との通知を受けた。「まだ一円も使っていない。今すぐ何かを買って領収書を作れというのか」と嘆く投稿もある。
「申し込み時には使い道の制限なんて言われなかったのに、今になって『すべての支出に証明を出せ』と言われた」と不満を訴える声も多い。
領収書を集められず追い詰められた人々は、無理に物を買って証明を作るか、要求に応じずローンを打ち切られるかの二択を迫られている。証明が出せなければ融資枠を凍結され、最悪の場合は即時返済を求められるため、多くの人が「証明地獄」に陥っている。
このすき間を狙い、「審査に通る領収書を代わりに作ります」とうたう闇業者が急増。制度を守るための監視が、皮肉にも「偽の証明」という新たな闇市場を生み出している。

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