【大紀元日本1月14日】先月三十日、重慶長江電工集団有限会社の経営陣は、工場および社員の住宅の一部を地元の不動産開発会社に売却したことで、警察と協力して社員らを住宅から立ち退かせようとしたところ、社員約二千人が「補償が不十分」と抗議、警官隊数百人と激しく衝突した。調べによると、社員側数人が負傷、警官一人が重傷となった。
2005年12月30日午前、パトカー40数台、引越し用トラック7台及び警察官数百人が法的根拠を示す書類を全く提示せずに、電気棒を使って銅元局地域にある社員らの住宅の強制撤去作業を行おうとし、住民と衝突した。目撃者の話によると、衝突により住民側は数人が負傷、警察側は警察官一人が頭を殴られ重傷となった。住民の抵抗により警察は一旦撤退したが、その際、水、ガス、電気を遮断したため、住民は不便を強いられている。強制退去はこれが初めてではなく、同年11月17日には広東山地域の3世帯を、また同年12月20日には大勢の地域住民が抗議する中、滴水岩地域の8世帯を強制退去させた。
重慶長江電工集団有限会社は約100年の歴史を持つ大手兵器工場である。現在社員は約8000人で、主に銃砲や爆弾を製造している。近年は業績悪化のため多くの職員がリストラされ、残った社員の殆どは安い給料で生活をしている。2002年、会社の経営陣は会社の土地と工場、そして社員住宅の一部の合計2200ムー(土地面積の単位.中国の1ムーは6.667アール)を重慶融僑集団不動産開発会社に売却し、工場を郊外へ移転した。
関係者によると、社員のほとんどは住宅の個人所有権を持っているため、住宅はいわば個人の私有財産となっていた。にもかかわらず、会社側は社員への説明もなく住宅を売却し、さらに社員に支払う立ち退き補償金は国家基準よりかなり安い金額だという。会社側の理不尽な行為に社員の多くは納得しないが、会社側からの圧力を受け、妥協した社員も少なくない。妥協しなかった社員の一部が強制退去の対象となった。
調査によると、11月17日に強制退去させられた3世帯は、2世帯が定年退職者で、残る1世帯は在職中。いずれも貧困家庭である。家具が搬入された住居はいずれも古く、とても生活できる状態ではない。彼らは現在住む場所がなく、親戚の家や古い空き屋などに身を寄せているが、この状況がいつまで続くのか分からない。彼らに対する会社側からの対応はなく、住民の中には自殺を考える人も出てきている。彼らは重慶市役所に苦情を訴えたが、受理してもらえず、弁護士に依頼する金もないと訴えている。
また、12月30日に起こった強制退去事件では、警察は水道・電気・ガスを遮断し、抵抗する住民のリーダーと思われた張立軍氏を逮捕した。このときの強制退去対象世帯は4世帯。事件後、会社側は当事者たちと何ら接触を持たず、交渉にも応じる様子はなかったという。厳寒の冬、電気もガスも遮断された住民たちは耐え難い生活を余儀なくされている。
本紙記者が重慶市の関連政府部門に電話で問い合わせたところ、「知らない、分からない、答えてはいけないと命令されている」などとくり返すばかりであった。
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