低迷が続く中国の不動産市場。多くの分譲住宅が激安価格で売り出され、なかには、「一軒買えば、もう一軒無料」などの、目を疑うほどの、超お得な不動産キャンペーンが行われているにも関わらず、それでもとにかく売れない現状がある。
そこで、「一刻も早く家を売りたい!」と願う女性が使った「目からうろこ」と仲介業者たちも大いに感動したという、その予想外なやりかたがSNSで話題になっている。
結論から言うと、200人近い仲介業者を家に訪問させ、セールスマンたちの積極性を大いに利用したという、その裏ワザとはずばり「縁起の良い八の数字にちなんだ成約賞金を用意する」「現場での福引や各種ゲーム」「心のこもったサービス」など、仲介業者に良い思いをしてもらうことだった。
女性の斬新なアイディアや超豪華賞品に釣られて、集団内覧の日は多くの仲介業者が訪問して大いに賑わったという。

「必死の努力」
「とにかく早く家を売りたい! しかし、いまはどこもかしこも物件が激安価格で売り出しているのに全く売れない…どうしよう…」
中国浙江省杭州市(こうしゅう‐し)に住む楊さんは、頭を悩ませた。そこで彼女が考えついたのは、仲介業者の積極性を引き出して、大いに頑張ってもらうことだった。
そうと決まれば後はカンタン。楊さんはまず、自宅から数キロ圏内にあるすべての不動産仲介業者に「所有する不動産を売りたい」の通知を送った。
通知にはさらにこのように続く。「家の販売価格は696万元(約1.4億円)、7日以内に成約した人には1万8888元(約38万円)、15日以内に成約した人には1万888元(約22万円)」の成功報酬を用意しています。3月6日に販売物件に来て実際にみてほしい、この日、物件内でゲームや抽選活動を行う予定、多くの景品や賞金を用意してお待ちしています」
なお、中国語で「八」の数字は発音が「儲かる」や「繁盛する」を意味する「発財」を連想させるため、縁起のよい数字として愛用されている。
いよいよ、約束の日。
彼女はまず玄関で訪れたすべての営業マンに抽選券を配り、その後、家の中を案内し、家の売りなどを熱心に紹介した。

そして業者たちが自由に家の中を見て回っている間、女性はドリンクやフルーツ盛り、おやつを彼らに振る舞った。
この日、販売物件の「イベント現場」を訪れた仲介業者の一人、鐘さん(女性)は、現場の様子を撮影しながら、「目からうろこです! 私は業界歴5年以上ですが、こんなのは初めてです。どうですか?」と興奮気味に話した。
ほかにも、多くの営業マンが今回の特別な体験をSNSでシェアし、中国メディアまでこの件を取り上げ報道した。
メディアの取材に対し、楊さんは、「私は自宅周辺の約5キロ範囲内のすべての仲介業者を招集し、販売物件(家)のに来てもらいました。彼らは私の家に対する印象が深まったことでしょう、そうすれば彼らはピンポイントな顧客探しができるようになります」と語った。
関連トピックスには「内覧がとても楽しかった!物件売りをがんばれそう!」という仲介業者の声のほか、「このご時世では、家を売るために、ここまで必死にやらないといけないのか?」といった嘆きも広がっている。
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