アウシュビッツ収容所の第一証人が逝去、歴史の警鐘か

2006/04/10 更新: 2006/04/10

【大紀元日本4月10日】ナチスのアウシュビッツ強制収容所での集団虐殺の真相を最初に暴露した「第一証人」ルドルフ・ヴルバ(Rudolph Vrba)氏は3月27日、カナダで逝去した。享年82歳。一方、3月初めから相次いで、米国に逃亡した中国人ジャーナリスらが、生きた人体から臓器摘出・売買する中共秘密収容所の存在を暴露、中共政権は3週間近く沈黙した後、3月28日秘密収容所の存在を完全否定した。 これと符合するかのようなナチスによる集団虐殺の「第一証人」の逝去は、中共秘密収容所の事件にとって象徴的なものであり、あの歴史の悲劇を二度と繰り返してはならないとの天からの警告だとコメントした評論家もいる。

アウシュビッツ強制収容所での経緯

ヴルバ氏は1924年スロバキア西部の町で生まれた。1942年3月、18歳のときにポーランドにあるナチスのアウシュビッツ強制収容所に監禁された。彼の仕事は主に到着列車から死体を下へ運搬し、遺物をかき集め、分類して貪欲なナチス親衛隊員に渡すことであった。そのため彼は収容所内での自由行動することができ、収容所内を見る機会があった。そのため秘密の毒ガス室と死体焼却炉で毎日大勢のユダヤ人が集団虐殺されていたことを察知し、さらに数百万人のハンガリーのユダヤ人がここで処刑される予定との情報を知った。そこで、1944年4月ヴルバ氏は囚人のウェツラー氏と一緒に、収容所から運び出される建材の下に身を隠し、危機一髪で脱獄に成功した。1944年6月、2人は同盟軍の最高司令官にアウシュビッツ強制収容所で行なわれていたユダヤ人集団虐殺の真相を初めて暴露した。

アウシュビッツ強制収容所に関する、詳細で驚くべき彼らの報告ヴルバ・ウェツラーリポート(Vrba-Wetzler Report)はナチス秘密収容所での集団虐殺を暴露した最初の資料であった。しかし、当初、人々は彼らの証言を強く疑っていた。そのため虐殺の情報がスロバキアや、ハンガリー、スイスなどの政府に伝えられたが、一部の政府関係者はまったく信用しなかったため、情報をハンガリーのユダヤ人に伝達しなかった。米国連邦最高裁判所の裁判官、ユダヤ人のフェリクス・フランフト氏すら彼らの情報を信じなかった。結局、1944年5月15日から7月7日の間に、さらに43万7千人のハンガリーユダヤ人がアウシュビッツ強制収容所に収監された。1945年1月27日、ロシア軍がアウシュビッツ強制収容所を解放した時、そこで初めて山積みの死体と、ミイラのように衰弱した生存者が発見された。後の調べによると、100万人以上のユダヤ人がこの収容所で集団虐殺されたことが判明した。

アウシュビッツ強制収容所で虐殺されたユダヤ人の靴Getty Images)

歴史学者たちは、「当初、人々はヴルバ氏らの証言を信じていたら、それほど多くのユダヤ人は虐殺されずにすんだだろう」と評論した。しかし悲劇は起こった。エルサレムの大虐殺博物館の記録によると、第2次世界大戦中に、約600万人のユダヤ人が殺された。

人間は悪魔の残虐性を想像できない

アウシュビッツ強制収容所での集団虐殺の情報が当初真剣に受け止められなかった理由について、専門家は以下のように分析した。
1.国際社会はヒトラーの詐欺宣伝を信じ込んでいた。
2.自己本位の心理。自分はユダヤ人でないため、事は自分と関係がないと他人の苦難に冷淡な態度でいた 
3.人類の正常な思惟で、ナチスという悪魔の行動を推測した。

中共秘密収容所の信憑性について、一部の人はまだ疑いの目を向けている。中国問題の専門家・賀賓氏は、人々は中共秘密収容所の存在を質疑するのは、彼らは中共の本質を知らず、7年間続いた法輪功への集団迫害の真相を知らないからだとコメントした。

故・ローマ法王ポール2世は、数度にわたり「人類は20世紀において、2つの悪魔の挑戦に直面している。1つはナチス、もう1つは共産主義」と警告を発した。『共産主義の罪状白書』によると、共産体制下で非正常死亡した人の数は、二つの世界大戦での総死亡者数の2倍以上だと記録している。

歴史の繰り返しは何を意味するか

専門家らは、歴史は驚くほど類似していると指摘。1936年のベルリン・オリンピックと2008年の北京オリンピック。100%にのぼるナチス当時の経済成長率と今の中共経済の表面上の急激な発展、欧米国家の妥協政策により誘致した第2次世界大戦と、今の自由社会の先進国が経済利益を重視しすぎたため生じた道義への軽視。さらに、アウシュビッツ強制収容所の第一証言に対する懐疑、状況放置と、中共秘密収容所の真相への質疑。
専門からは「(ナチスの強制収容所の悲劇を)絶対に二度と繰り返してはならない(Never Again)という誓いの言葉はまだ消え去っていないが、新たに悪魔の罪悪が中国で秘かに発生している」と話しており、歴史の警鐘として憂慮している。

ホワイトハウスの前で中共秘密収容所での暴行を非難するよう呼びかけている法輪功学習者 (大紀元)

(記者・文華)

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