【大紀元日本4月17日】広東省佛山のレストランで人間の乳児や胎児をダシに使ったスープが販売されていたことが明るみに出た。ダシに使われているのはほとんどが女児であることから、これは「一人っ子政策」の弊害であると考えられている。この弊害をもたらした「一人っ子政策」、そしてこのようなスープを販売するレストランの経営者や、そのスープを食べに来る客たちに人命軽視という人間性の堕落をもたらした中国共産党の思想教育に非難の声が挙がっている。
・一人っ子政策の犠牲者
三年前、広東省佛山のあるレストランが「赤ちゃんスープ」というメニューを出していた。これは赤ちゃん向けのスープではなく、乳児や胎児を煮て作ったスープである。値段は一杯3500元から4000元。調理されているのはほとんど女児である。農村部では昔から男児の方が好まれる傾向が強く、さらに「子は一人まで」とする産児制限が実施されたため、生まれた子が女児と分かると、貧しさや男児欲しさからその子を売ったり、捨てたりしてしまう人たちが後を絶たない。こうした乳児や胎児は中共政権の政策の犠牲者であると言える。
・乳児で暴利を貪る中国国営の孤児院
乳児に対する人間性の欠如は、これだけに留まらない。中国の女児は商品として扱われている。中国国営の孤児院が乳児を販売し、暴利を貪っていた事件がこのほど暴露された。アメリカの夫婦が養子にした子どもは中国の犯罪グループが誘拐して売った乳児の可能性があると米紙ワシントンポストが報道した。
同紙によると、2004年7月、広東省で女児が誘拐された。見知らぬ人が白いワゴン車から飛び降り、生後一年4ヶ月の費梅ちゃんを8歳のいとこの手から奪って逃げた。費梅ちゃんの両親が警察に通報したところ、警察は同日の夜に同じ強奪事件が別の場所でも発生したという。
この事件の真相は、湖南省で児童を売買していた犯罪組織が警察に検挙されてから、はじめて明るみに出た。ワシントンポストの取材によると、この組織は27人から成り、2002年から広東省で1000人以上の子供を誘拐し、一人当たり400~538米ドルで湖南省孤児院に売却していた。
これらの誘拐された子供たちは孤児院から外国人に販売されている。中国の孤児を引き取ったことのあるアメリカ人によると、孤児一人あたりおよそ2万5千から3万米ドルの費用がかかったという。誘拐犯が持ち込んだ子供に600米ドルを支払い、養子縁組を希望する人に2万5千米ドルで「売却」することによって、孤児院は子供一人あたり2万4千4百米ドル(約270万円)を手にすることになる。
湖南省衡陽の役人は、この事件に関するワシントンポストの取材を拒否した。同様に北京にある中国孤児事務センター(China Center of Adoption Affairs,CCAA)もワシントンポストのインタビューを拒んだ。内情を知る人は「湖南省の孤児交易センターは衡陽県孤児院である。すべての孤児院は皆国営なので、この事件の調査はここまでしかできない」と言った。役人のインタビュー拒否は、この犯罪に孤児院も加担していることを示唆している。
・大人も「臓器の強奪」の犠牲者に
中共政権の犠牲者は子供だけではない。大人も、「臓器の強奪」という犯罪に巻き込まれる危険がある。
3月初旬、中国の瀋陽市蘇家屯で、生存中の法輪功学習者数千人から臓器を摘出し、手術後の遺体は焼却するという事件が暴露された。犠牲者の身体から摘出された臓器は中国各地の病院へ高値で販売されている。このおぞましい臓器ビジネスは、蘇家屯一箇所ではなく、中国各地の強制労働収容所でも行われているという。
蘇家屯の秘密刑務所で行われる臓器摘出が暴露された後、国営通信社の新華ネットは3月27日、「中国衛生部が人体器官の売買を禁止する法律を制定」と報道した。この法律は2006年7月1日から実施されるという。1999年7月20日、法輪功弾圧のための「法律」が即日施行され、法輪功学習者の逮捕が施行日の前夜から実施されたのとは対照的に、今回発表された人体器官の売買を禁止する法律の施行に3ヵ月の猶予を設けたのは、その犯罪行為が中共政権によって行われているためであり、強制労働収容所などに囚われている人々全てから臓器を摘出し、その犯罪行為の証拠を隠滅するための時間稼ぎと指摘されている。
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