【大紀元日本7月9日】米国科学者連合会の核兵器専門家は7月5日、新型の中国094晋級原子力潜水艦が昨年初めて衛星撮影に捉えられたことを明らかにした。専門家によると、094晋級原子力潜水艦は長期に水中潜航できるため、偵察衛星による発見は非常に困難である。装備される弾道ミサイルは、米国全土の都市を攻撃可能のため、米軍は非常に注目しているという。
米国VOAの報道によると、米国科学者連合会の核情報の担当主任であるハンス・クリストンソン氏は、2006年下半期、中国大連の小平島付近で、094晋級原子力潜水艦を撮影できたと明らかにし、「中国の原子力潜水艦は通常、そこに停泊しない。その基地は青島の付近にある」と話した。
094晋級潜水艦は全長133メートル、推定12箇所の発射口があり、「巨浪2号」という弾道ミサイルを搭載できる。この種のミサイルの射程は8千キロを超えるため、太平洋から発射すれば、米国全土の都市が射程に入る。094晋級原子力潜水艦は小平島で、試験核ミサイルを発射したことがある。
インド・ネルー大学東アジア研究の准教授・謝鋼氏は、「094晋級原子力潜水艦は、水中で45日間以上潜航できるため、非常に発見されにくい。今回、衛星撮影ができたことは、米海軍の情報収集に、重要な意味がある」と説明した。
中国海軍の発展に関する研究著作を出版した同准教授は、「大陸間弾道ミサイルが、発射される場合、容易に米国の偵察衛星に発見されるため、米国本土の都市に到達する前に迎撃される可能性が高い。しかし、もし、太平洋に潜航している094晋級原子力潜水艦から発射されれば、非常に発見されにくい」と分析し、「米国は、中国の大陸間弾道ミサイルの設置場所を追跡できるが、094晋級原子力潜水艦を追跡するには、例え米国の最新精鋭の技術でも、ほぼ不可能である」と指摘した。
米国ワシントンのシンクタンク「大西洋理事会」のベテラン研究員、兼「台湾高等政策研究協会」の寥文中氏は、「米国防省は、中国の094晋級原子力潜水艦の配備状況に高く注目している。米海軍にとって、094晋級潜水艦の西太平洋での活動は非常に脅威である。また、米海軍は通信暗号の解読にも頭を痛めている」と話し、「中国の潜水艦通信暗号は10年前と完全に変わったため、例え、米国が迅速に信号をキャッチできるとしても、その暗号編成は、中国式ロジックの暗号コードを用いているため、全般に解読するのが非常に難しい」と説明した。
前述のクリストンソン氏は、「衛星写真ではっきり確認できないが、094晋級原子力潜水艦は、ロシアのヴィクタIII級原子力潜水艦の構造に基づいて造られた可能性がある」と指摘した。
謝鋼准教授によると、ロシアが関連の核技術を中国に渡すことは、特に問題にならない。核保有国の間に核技術の転移は、核兵器不拡散条約(NPT)の制限を受けないからだという。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。