【大紀元日本1月21日】韓国に脱出した中国人法輪功修煉者2人は1月16日、難民認定の裁判で勝訴した。アジアにおいては初の事例である。
韓国ソウルの行政裁判所は1月16日午前、法廷審理を開き、2004年5月から難民申請を始め、その後、訴訟を起こした原告の32人の法輪功修煉者に対し、そのうちの2人を難民として認定するとの判決を下した。同裁判所の行政6部の全成秀・裁判長は、難民認定した理由について、次のように説明した。「中国当局による法輪功迫害に関する原告の代理弁護人の陳述は、具体的かつ説得力があり、全体において信憑性がある。彼らは韓国に逃れてから、法輪功の集会などで主導的な役割を果たしている。中国政府に注意されている可能性がある」「中国に帰国すれば迫害を受けるとの憂慮について、裁判所は十分の理由があると認識している」。
翌日、韓国の各大手テレビ局や、新聞が相次ぎこの一件を主要ニュースとして報道した。
原告の代理弁護士・金南俊氏の助手は判決後、中国国内での関連証拠の収集が非常に困難であり、証人の安全などをも考慮しなくてはならないと説明、迫害状況を立証する難しさを明らかにした。同弁護士は、「今回の判決は先頭を切り、これからは更なる多くの人が難民認定を受けるはず」とコメント、今回の韓国司法部の判断を歓迎すると述べる一方、ほかの30人が難民認定されなかったことに、残念の意を呈した。
原告の代理弁護士の金南俊氏(大紀元)
韓国法輪大法学会の権洪大・会長は、「中国当局は法輪功集団弾圧を実行するためにGDPに相当する巨額な資金を投じてきた。さらに、軍の病院などが生きた法輪功修煉者の臓器を強制摘出・売買している。それについて、韓国政府と大多数のメディアが沈黙を保ってきた。今回の裁判所の判決は、韓国が人権の先進国に邁進するよい契機になる」と述べ、難民として認定されなかったほかの30人について、「彼らが中国に帰れば、命の危険がある」と指摘、最高裁に上訴する構えを示した。
勝訴した一人の原告の女性は、司法当局の感謝の意を表しながらも、他の原告の問題を懸念し、「中国では、法輪功の修煉を続ける限り迫害を受ける」と説明、ほかの30人が敗訴した背景には、中国当局による法輪功集団弾圧の残酷さと広範囲性を深く認識していないのが理由と指摘し、状況の改善に期待を寄せた。
【これまでの経緯】
2002年初、100人あまりの法輪功修煉者が韓国法務省に難民認定を申請。
2005年5月10日より、同国法務省は30人以上の法輪功修煉者に、不認可との結果を通知した。理由は迫害に関する理由説明が不十分。
2005年5月19日より、これらの法輪功修煉者は韓国法務省に異議申し立ての申請。
2006年3月10日より、韓国法務省から相次ぎ不許可の通知が出される。
2006年4月20日より、法輪功修煉者が相次ぎ同国の裁判所に、韓国法務大臣を相手に訴訟を起こす。
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