【大紀元日本7月4日】「腕立て伏せをしていた少年をずっと取材したかったが、何日も経ったが連絡は取れない」。7月3日午前11時、自分のブログで中国貴州瓮(ウオン)安県に起きた万人群集衝突事件について取材活動で遭遇したことを連日に掲載した、貴州の官製新聞紙記者が、同事件に関する最後の筆を残した。「氷凌晨夏」という名前の同ブログはその後ネット上から消えた。
(閉鎖された貴州記者のブログ)
瓮安県で6月28日に起きた数万人規模の群集抗議事件。発端は16歳の女子中学生が6月21日深夜、同級生に呼び出された後、川に落下し死亡した。公安局が少女は自殺として処理したが、実際は同級生に同行した従兄弟2人に強姦されて殺されたと親族らと現地の住民がいう。公安局が高層幹部の親族である3人を責任追及せずとの民衆の告発に対し、貴州公安庁および貴州省宣伝部が7月1日に記者会見を開き、少女の死は自殺と公表した。
民間の強姦殺害説によると、少女が同級生に試験でカニングの協力を要求されたが断ったため同級生が復讐を計画した。従兄弟二人を依頼し、同少女を呼び出し、レイプした後殺害して川に投げた。これについて、当局が同会見で、事件の「真相」を説明した。橋の上で少女をレイプしたと告発された少年は、レイプではなく、「腕立て伏せ運動をしていただけで、何人かが目撃した。 腕立て伏せをした後、元々自殺したかった少女が突然橋から川に飛び降りた」という。
この奇妙な「腕立て伏せ運動説」がさらにネットユーザーらの怒りを招いた。一晩中、「腕立て伏せ」の言葉は、各ネット掲示板で最も頻度の高い用語となった。7月2日、有名な掲示板で至るところ、「腕立て伏せ」の言葉で埋め尽くされた。当日Googleが発表した時間単位のキーワードランキングで、「腕立て伏せ」がトップ一の座を占めた。
ネット上で共産党当局を批判するため隠し表現、パロディなどの使用に腕を磨いた中国のネットユーザーらが、「腕立て伏せ」をキーワードにあらゆるパロディ、笑い話、隠喩などの表現を創作した。「腕立て伏せ党」を立ち上げるものあり、「全民腕立て伏せ運動で共産党を倒そう」などの書き込みで、ネット監視当局との間で書き込みと削除の競争ゲームを始めた。
中でも注目を集めたのは、貴州の官製新聞紙のある記者のブログ日記。瓮安に入って現地取材に遭遇した事実を文字と写真で記録した。7月1日夜、TianYaネット掲示板に同記者のブログのリンクが公表され、日記を紹介したきっかけに、広く転載された。ブログでは、「7歳の子どもも抗議に参加」「政府幹部がねつ造記事を報道をした記者に感謝」などの裏情報など紹介した。また、同記者が撮影した写真も、鳳凰テレビのサイドで転載されていると書かれている。
7月3日午前11時に更新の日記、「瀟湘晨報取材用車が貴州瓮安でとめられ」「腕立て伏せをしていた少年をずっと取材したかったが、連絡が取れず、自宅のアドレスも当局からもらえず、瓮安宣伝部に聞いたが、少年の地元は田舎で、行き方はわからないと答えられた」などの内容が書かれている。また、ネット管理者に瓮安事件に関する2通の日記が削除されたことに対して怒りを表した。
同日午後、同ブログは、すでにネット上から消えた。
このブログ日記を日本語で簡単にまとめた。
昨日(7月2日)午後、黔南州(瓮安県が所属する行政)州書記が貴州省黔南州各民族の民衆に謝罪した。自身の母が死んだ時さえ涙が出たことのない書記が泣いたという。私はIQが低いので、彼が泣いた原因はよくわからない。県政府が衝撃されたためなのか、あんなにちょっとしたことで大量な警察を使用したことに後悔したのか。
今朝、メディアセンターで原稿を書いていた際、突然「瀟湘晨報」の取材用車両が現地の警察に止められたと聞いた。原因は取材に来た4人の記者のなか、誰も車のライセンスが持っていないという。しかし彼らが来たのは今日ではなく数日前だったので、いまさら車が引きとめられるのはちょっと不思議だった。写真を整理した際、引き止められた本当の原因がわかった。彼らが来た後、瓮安宣伝部と連絡を取らず、自ら勝手な行動をとったからだという。
メディアがますます増えた。日本のテレビ局が今朝到着した後、現場に入って取材した。
私は、あの腕立て伏せをしていた少年を取材したかったが、何日も経ってるのに連絡が取れない。彼のほか、何人かの当事者もいる。 警察側は彼らを拘留していないという。 直接あの少年の家に行きたいが、住所も当局からもらえず、瓮安宣伝部に聞いたが、少年の地元は田舎で、行き方はわからないと言われた。
昨日、一部の記者が、死者の地元所在地-玉華郷に取材に行ったが、順調に行かなかった。私服警察が「秩序維持」のチームを組んで外来者を遮断しようとしている。何人かの記者が中に入ろうとしたが、服を引っ張られ引きずり出された。
……
亡くなった女子中学生の母親はまた家にいると聞いたが、なんとかして入ったが、誰もいなかった。近所の人たちが、きっと移動させられたと怒っていた。
タクシー運転手は、瓮安は本当に乱れていると話した。夜は出かけなくなったという。
別のタクシーも乗ったが、その運転手によると、副県庁の肖松も6月30日にすべてのタクシー運転手を召集して会議を行ったという。「口に注意してください」と運転手らに注意した。この運転手は現場に見に行ったことがあり、地面には多くの血痕が残っているという。死体が解剖されたときも見たが、お腹に水が入っていなく、川に飛び降りて自殺した説は納得できないという。
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