【大紀元日本2月21日】中国四川省渠県三汇鎮長久村でこのほど、鉄道建設地の収用補償金を不満とする村民と警察の間で衝突が起きた。当局は数百人の警官を動員しこれを鎮圧。現在村民5人が逮捕され、拘束中である。当局は情報を封鎖し、村民らは恐怖を感じている。
ある村民は、「その日、村では多くの老人や一部の若者数十人で組織されたグループが工事車両の進入を阻んでいた。政府職員はこれを見ると、このような行為は違法と判断し、この事を報告した。渠県、三汇鎮、達州の警官200人が警棒を持ちヘルメットをかぶってやって来たので、私たち村民はとても驚きました」と語った。
ある若者が衝突の様子を携帯電話で撮影していたところ、警察が彼の携帯を奪い取ったうえ捕まえようとした。これを見た彼の兄が弟を守ろうとしたため、2人とも警察に連行され、現在この2人は拘束中だという。村民の話では逮捕されたのは5人で、老人や若者だそうだ。
四川天網によると当局は2月10日午後、400人の警官により三汇鎮長久村の強制立ち退きで抗議している村民を鎮圧した。当時、雨が降っており、警察官と村民が泥水の中を転げ回るように衝突していた。結局は、家屋から強制的に立ち退かされ、多くの人が負傷し一部の村民は警察に連行されていったという。
当局は渠県に『襄(しょう)渝鉄道複線』建設地を必要としているが、現地村民は立ち退き補償金が十分でないと考えている。この路線工事の全長は534km、2004年から建設が始まり、2009年7月1日に完工、開通予定だ。複線は四川省達州、広安を経て重慶までつながる。建設費用は総額162・7億元を予定している。
衝突原因は同工事の渠県地区での立ち退き補償が十分でないため進展が異常に緩慢であること、現地農村でよくみられる1棟2階建の建物を例にあげて言えば、現在の建築費は6万元、しかし当局は補償金を3万元しか出そうとせず、政府職員の中には私腹を肥やす者もおり、実際はわずか2万元の補償となっているそうだ。さらに酷いことに農民たちは土地と都市の居住権を失い、さらに移転先の地区はもとの住所や定期市から遠く、生活水準が大幅に低下してしまったという。
村民らが長年政府各部門へ陳情している中、県政府は先週初めて強制立ち退きの措置を取った。そのため村民は連夜工事現場を占拠し工事車両の進入を阻止し、自分たちの家の前に横断幕やスローガンを掛けるなどのほか、道路の分岐点にはバリケードを設けた。
衝突発生時、警察は現場の入口にある工事阻止を準備する村民がいる小屋に火をつけた。この焼け跡はまだ残っているという。
話によれば、長久村村民の一部土地は現地コンクリート工場に占用され、補償金は20万元強ほどしか給付されなかったそうだ。しかしその金も村の政府職員の汚職により、実際には村民は今に至るまで補償金を一銭も手にしていないという。
四川省三汇鎮長久村は県庁所在地より40kmの場所に位置し、明代中後期に建てられ、“小重慶”と呼ばれている。全鎮総人口は3万3千800人、うち農業人口は1千500人。
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