過去最多の高官摘発 習近平体制が官僚に突きつける「絶対服従」

2026/01/07 更新: 2026/01/07

1月6日、中国共産党(中共)当局は2025年の「反腐敗」に関する統計を公表し、中央管理幹部65人が審査・調査の対象となり、過去最多を更新したと発表した。また、海外に逃亡していた数百人の身柄を確保したことも明らかにした。専門家は、当局が進める反腐敗運動について、習近平が官僚に「下僕のような絶対的忠誠心」を求めており、病的とも言えるほど疑念にとらわれていると分析している。

中央管理幹部65人が調査対象 国外逃亡者782人を拘束

「中国紀検監察報」は1月6日、中央規律検査委員会・国家監察委員会が、蒋超良、金湘軍、藍天立、劉慧、易会満ら複数の幹部について立件し、審査・調査を行ったと報じた。2025年に中央が直接管理する幹部のうち計65人が捜査・調査の対象となり、過去最多となった。

公式発表によると、紀検監察機関は政治問題と経済問題が絡み合う腐敗事件を重点的に扱い、金融、国有企業、エネルギー、医薬品、高等教育、スポーツ、インフラ建設など、権限が集中し資金や資源が集まりやすい分野を集中的に取り締まっている。また、幹部の配偶者や子女、その配偶者による違法な商業活動への監督を強化し、主要な贈賄者に対する連携処分も進めている。

当局の発表によれば、2025年1月から11月までに拘束された国外逃亡者は782人に上り、このうち党員および政府職員が61人、インターポールの赤手配対象者が36人、中共当局が公表した「重要指名手配犯100人リスト」に該当する者が2人だった。回収された不正資金は計236億700万元に達したという。

 高官・将軍が相次ぎ失脚 習の新たな「反腐敗」基準

2012年11月の習近平政権発足以降、多数の高官が失脚しており、その規模は際立っている。

中共第18回党大会から第19回党大会にかけて、周永康、徐才厚、郭伯雄、令計劃、孫政才、蘇栄ら元・現職の最高指導層幹部が相次いで失脚したほか、中央省庁のトップ級幹部20人以上と、次官クラスの幹部130人が処分を受けた。

第19回党大会から第20回党大会までの期間には、国家指導部に準ずる高官1人、中央省庁のトップ級幹部12人、省・部の次官クラスにあたる高官96人が摘発された。第20回党大会以降も、魏鳳和、李尚福の国家指導部に準ず高官2人を含め、少なくとも中央省庁のトップ級幹部20人、次官クラスの幹部99人が調査対象となっている。

軍部も深刻な打撃を受けており、張陽、苗華、李玉超、劉亞洲ら上将7人のほか、中将19人以上、少将59人が相次いで失脚した。

2026年1月5日には、水利部元党組メンバーで副部長を務めた田学斌が重大な規律違反・法律違反の疑いで調査を受けていると当局が発表した。田は2026年に入って最初に摘発された中央管理幹部で、かつて温家宝元首相の秘書を務めていた。

中国問題専門家の章天亮氏は自身の番組で、最近失脚した多くの中央省庁のトップ級幹部は習近平と直接の政治的つながりを持たず、「反習勢力」にも属していないと指摘している。これは、苗華や何衛東など、かつて習近平の側近と見なされていた軍幹部が粛清されたケースとは異なる傾向だという。

章氏は「習近平体制の顕著な特徴は、すべての官僚に対し、習近平にのみ忠誠を尽くす下僕のような姿勢を求め、それ以外のいかなる考えを持つことも許さないことだ」と述べた。習近平が求めているのは絶対的な個人忠誠であり、官僚が自らの個人的利益について通常の配慮を行うことさえ、指導者への忠誠心が足りない証拠と見なされ、その姿勢は常軌を逸した猜疑心の域に達していると指摘した。

李淨
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