ロシア地方検察院、「九評共産党」ロシア語版出版禁止を要求 州裁判所が却下

2010/07/02 更新: 2010/07/02

【大紀元日本7月2日】中国大陸の民間で広がっている「共産党関連組織からの離脱表明」ブームの引き金となった著書『九評共産党』が、前共産党国家のロシアでも、そのロシア語版の出版を禁止するよう求める訴訟に巻き込まれていた。ロシアのスヴェルドロフスク州裁判所は最近、同訴訟案件の控訴審で、原告であるエカテリンブルク市交通検察院の要求を却下、同書は出版禁止されるべきではないとの原判決を支持した。

同案件は昨年9月から審理が始まった。「上海協同組織会議」がエカテリンブルク市で開かれている最中に、同市交通検察院が市の裁判所に、ロシア版大紀元時報が出版した『九評共産党』ロシア語版を禁じるよう求める訴訟を提出した。

同裁判所は、同書にいかなる過激、あるいは違法な内容がないと判断した上で、今年4月6日、出版禁止を求める原告側の訴求を却下した。原告は不服として、スヴェルドロフスク州裁判所に上訴した。

『九評共産党』は2004年11月、中国語版大紀元時報がシリーズ社説として発表したもの。歴史や政治、経済、文化、信仰などの面から、中国共産党政権の知られざる数々の悪事を明らかにし、その詐欺、暴力、邪教、ならず者の本性を鋭く暴露し、世の人々に、中国共産党政権の本質を正しく見極めさせている。中国語版出版後、英語や日本語(※)など多言語バージョンも各国の大紀元時報支社により出版された。

中国大陸では同書は中国政府に禁止されているが、各地で密かに伝わっている。それにより、2004年12月から今年6月17日の間に、大紀元サイトで中国共産党やその関連組織(中国共産主義青年団、中国少年先鋒隊)からの離脱を宣言した中国人は7千5百万人を超えた。

ロシア語版の出版元である大紀元時報ロシア支社によると、『九評共産党』はロシア国内でも広く伝えられ注目を集めており、それにより、中国政府から強い圧力に遭っている。原告のエカテリンブルク市交通検察院が同書の出版禁止を求めたのも、その圧力による結果である。「裁判所は最終的に、法律の公正を守った。それはわが新聞社の勝利だけではなく、中共の圧力に直面するロシア民衆の勝利である。彼らは中共の本質を知る権利があるのだ」という。

※邦訳『共産党についての九つの論評』博大書店

(翻訳編集・叶子)