【大紀元日本1月22日】21発の礼砲や国歌の演奏、オバマ大統領夫妻主催の晩餐会、それに先立つ私的夕食会への招待。これまで7回会談したものの、国賓待遇の公式訪問が初めて実現し、胡主席にとって体面が最大限に配慮された米国訪問となった。
ホワイトハウスの温かい冬に陶然とした胡主席だったが、20日、訪問先の連邦議会議事堂で米両院議長らと会談をしたところ、思わぬ冷たい風に襲われた。中国の通貨政策、人権問題に踏み込んだ発言が相次ぎ、オバマ政権の最上級の厚遇とは裏腹に、米議会の中国に対する厳しい見方が反映された。
胡主席を「独裁者」と呼ぶ民主党上院リーダー
その日、胡主席はベイナー下院議長(共和党)やリード上院院内総務(民主党)とも会談を行なった。二人とも前日にオバマ大統領夫妻が催した盛大な晩餐会には欠席していた。一方、上院共和党院内総務のマコネル氏はその日地元に帰り、胡主席との面会を避けた。
米中会談の前にリード上院院内総務はテレビのインタビューで、胡主席について「彼は独裁者だ」と語ったという。リード氏はその後、自らの発言を訂正したが、国賓に対する異例な批判はメディアに大きく取り上げられた。
胡主席と議会関係者らの会談の様子について、米メディアは「微妙な雰囲気」と表現している。会談内容は公開されていないが、リード議員が会談後に発表した声明によると、「貿易、人民元切り上げ問題、中国と北朝鮮、イラン、スーダン、台湾との関係について言及した」という。
下院のベイナー議長も会談後、声明を発表し、米中は経済において重要なパートナー関係にあるため、「双方は著作権の保護、北朝鮮の挑発行為、中国の人権など各方面の相違を埋めるべきだ」としている。
会談に参加した下院外交委員会の共和党筆頭理事を務めるイリアナ・ロスレイティネン氏も声明を発表し、胡主席に対し、反体制者の釈放、地下教会への弾圧と強制中絶政策の撤廃を求めたが、「ほかの質問は無視された。唯一答えてくれたのは強制中絶政策に関する質問。しかし、驚いたことに強制中絶政策は存在しないという返答だった」と述べた。
「中国現政権はならず者政権」
胡主席の訪米に難色を示す議員は、他にも存在する。1月19日ダナ・ローラバッカー米下院議員(カリフォルニア州・共和党)は、朝のラジオ番組と夜のCNN報道を通して、中国現政権を「自国民の殺害を繰り返す『ならず者政権』である」と歯に衣着せぬ言い方で、中国の人権侵害の現状を明確に伝えた。
朝のラジオ番組では、人権問題に関して具体的に課題として中国に取り組ませる必要があると主張し、「これ以上、ならず者たちの言いなりになるべきではない」と語った。
また、ビジネスマンにナチ政権と取引していることを伝えるべきだと発言し、「自らの信念を持つ人々を殺害する人間と取引しており、アメリカの伝統とは異質なもの。中国に行って工場を設立するということは、強制労働者を利用することだとわきまえて欲しい」と指摘した。
同日夜のCNNのインタビュー番組で、中国の人権侵害の現状を具体的に尋ねられたローラバッカー議員は、中国の人権迫害における最悪な側面として、ロシアには教会があるが中国にはないことを引き合いに出し、 法輪功のような精神性を高めようとする人々が何万人も投獄され、死に至るまで暴行され、内臓が売りに出されていることを多くの証拠が裏づけていると語った。「これ以上グロテスクな話はない」とコメントしている。
チベットやウイグル、その他多くの民族への弾圧にも言及し、この「ならず者政権」が世界に「ならず者政権連合」を設立しようとしていると警告。民主主義に敵対するものとして私たちの態度を決めるべきだと言明している。
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