【大紀元日本3月9日】8日に開かれた全国人民代表大会(全人代)の第二次全体会議に、重慶市共産党委員会の薄煕来書記は欠席した。同市の報道官は、欠席の原因を知らないとし、「絶対に健康問題ではない」と説明した。一方、このことは、最近発生した、米国大使館に駆け込んだ重慶市副市長兼公安局長・王立軍氏の事件に関連するとの見方が根強い。
薄煕来書記は5日の開幕式典には出席したが、8日の会議では、同書記が座っていた席にはほかの代表が座った。なお、この日に行われた会議は刑事訴訟法改正案を審議するもので、胡錦濤主席ら政治局メンバー全員が出席する重要な会議である。
薄煕来書記の腹心である王立軍氏は2月初めに公安局長を解任された。2月6日夜、同氏は自ら車を運転して成都市の米国領事館に駆け込み、亡命を要請した。この一件から、中国最高指導部の内部権力闘争に関する様々な憶測が飛び交っている。
その直後に開かれた「両会」では、薄煕来氏と重慶市代表団の動きが注目を集めた。
慣例では、各省の代表団は会期中に、国内外のメディアを対象とする記者会見を開く。ほとんどの代表団がこの会見を終えたが、重慶市はまだ会見席を設けていない。
香港紙「蘋果日報」の関連報道は、重慶市代表の張明渝氏の自らの公開情報として、両会期間中、北京の滞在先に重慶市公安局の複数の幹部が押し入って、ウェプサイトで王立軍事件を暴露するのを止めるよう脅したと伝えた。
マイクロブログ・微博ユーザー「黎学文在北京」の書き込みによれば、張明渝氏は7日から姿を消しており、8日夜11時ごろも「失踪状態が続いている」。一部の情報では、張氏は重慶市公安当局に連行され、すでに重慶に戻っているという。
中国当局は現時点までに、依然として王立軍亡命騒ぎの真相を明らかにしていない。
(翻訳編集・叶子)
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