フランスの首都パリで13日夜(日本時間14日早朝)に起きた同時多発テロについて、仏当局などの発表によれば、今回のテロに関して複数の国のテロ組織が関与しており、何人かの容疑者は難民を装って欧州に入ったとみられている。
パリの検察当局は、現在、容疑者8人の死亡が確認されており、このうちの7人が自爆テロの実行犯だと発表した。
過激派組織IS(イスラミックステート)は14日、8人のメンバーがこのテロ事件を実行したという内容の犯行声明を出し、その中で、今回のテロは9月から、米国を中心とする有志連合によるIS掃討の空爆に参加していたフランスへの報復だと表明している。
フランス当局は「中東、リビア、場合によってはドイツとフランスに潜伏している複数の国からの過激派メンバーが今回のテロを計画した」とみている。
BBCがギリシャ政府当局者の話として報じたところによると、現場で死亡した犯人の1人はシリアのパスポートを所持しており、10月にギリシャに入国した際、難民登録で指紋を採取されていた。その時いた69人の難民登録者に、テロの容疑者がもう一人含まれており、ギリシャからフランスへ入国した可能性が高いという。
こうしたことから、欧州各国に大量に押し寄せているシリア難民や移民を排除する動きが、今後いっそう強まるのではないかと懸念する声も上がっている。
パリでは13日午後9時ごろ、コンサートホールやその周辺の飲食店、サッカー場など約6カ所で銃撃や爆弾による無差別殺傷がほぼ同時に起きた。仏政府の発表では、日本時間15日午後までに、129人が死亡、352人が負傷、そのうち99人は重体。
各国政府首脳が犯行を強く非難する声明を相次いで発表し、安倍首相は「いかなる理由があろうともテロは許されない。断固非難する」と述べ、「日本はテロ未然防止に向け、フランスをはじめ国際社会と緊密に連携し、取り組んでいく」と強調した。
こうした中、オランド仏大統領は15日からトルコで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に欠席し、ファビウス外相が代理で出席する。会議では経済や難民問題に加えて、テロ対策が中心議題に挙げられるとみられる。
(翻訳編集・大道、叶子)
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