日本とロシアの研究者は、殻をスイングさせて敵に反撃するカタツムリの種を発見した。研究発表は、生物が進化する過程で、捕食者と被食者との関係の重要性を指摘する。
これまで、カタツムリは攻撃されると、殻に閉じこもり防御するだけが防衛方法だと考えられていた。
北海道大学と東北大学の研究者は、ロシアの科学機関と協力して、北海道およびロシア極東地域のカタツムリを研究。捕獲したカタツムリを、敵で捕食者であるオサムシに対しての防御行動を観察した。
研究によると、2種のカタツムリは、オサムシに反撃するため、殻を大きく振って追っ払う行動が見られた。
観察によると、殻で反撃する前、カタツムリはオサムシが十分に接近するのを待ち構えるかのように、その身を殻へ隠しているのがわかる。
同研究の筆頭執筆者である北海道大学・森井悠太さんは同大学ホームページの記事で「殻で反撃するカタツムリの殻は、その防衛戦略に好ましい殻の性質をしている」と研究結果を示した。
殻を振って反撃する種のカタツムリの発見の発表は非常に珍しい。同研究は2016年11月に発表され、科学メディア・ネイチャー傘下の科学誌「サイエンティフィック・レポート(Scientific Report)」にも掲載されている。
森井さんは、このたびの研究で「捕食者と被食者の関係と資源競争が、生物進化に影響をおよぼしたことを示した」と記している。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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