中国黒龍江省大慶市では2月14日、アルミメーカーが同市での生産工場建設するプロジェクトに反対する市民1万人以上が、市政府前広場で大規模な集会と抗議活動を行った。地元政府は数百人の警察官を動員し警戒に当たった。
地元市民の周さんは大紀元に対して、多くの市民は交流サイト(SNS)を通じて今月初めにアルミ工場の建設計画を知った。14日の抗議活動は、工場建設で環境汚染を懸念する有識者が計画したという。
中国アルミメーカー最大手の忠旺控股が、同市での工場建設を予定している。しかし、工場予定地の近くには東北石油大学やハルビン医科大学大慶校を含む多くの学校や居住区がある。また、生活用水に使われる紅旗貯水池から1キロほどしか離れていないため、市民からの反発を買った。
47の巨大煙突から排出される工業排出ガス
SNS上で転載されている『忠旺アルミが大慶での工場建設を反対、忠旺アルミ 大慶から撤退を求める』との公開書では、「市政府の統計では同プロジェクトが完成後に、市民の目に入る47の巨大煙突から、毎日24時間排出される20トンの二酸化硫黄ガス、毎年230トン以上のフッ化物……毎日必要な工業用水が8万トン」などと深刻な環境と大気汚染の可能性を指摘した。
一方、現地時間14日午前9時から、若年層から高齢者まで幅広い世代の市民が続々と市政府前広場に集まり、「汚染を阻止せよ]「忠旺に反対」「家を守ろう」などのプラカードを持ち、抗議活動を行った。周さんも子供と義理の母と共に、抗議活動に参加した。
周さんによると、約1万人以上の市民が抗議に参加した。市政府が400~500人の警察を出動させ、市民らを数十台の警察車両で囲み、厳戒態勢を敷いた。
抗議活動は午後1時まで続き、その後市当局の幹部が出て、工場建設プロジェクトが環境保護基準に達さなければ、建設を始めないと約束し、また同プロジェクトが今現在停止されているとしたという。
しかし、当局の発言に一部の市民は不信感を示している。周さんは「市民の唯一の願いは体の健康だ。私も工場予定地の近くで家を購入したから、大慶から離れることができない。子供や孫世代のため、これからもこのプロジェクトに反対していくつもりだ」と話した。
国内メディアによると、大慶市政府は2006年から忠旺控股に対して招致を行った。11年2月14日に、双方は年産量200万トンの特大高精度アルミやアルミ合金加工材プロジェクトの提携枠組み協定を署名した。大慶工場は総建築面積500万平方メートル、総投資額400億元(約6800億円)。
(翻訳編集・張哲)
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