フランス大統領選の第1回投票は4月23日に行われた。出口調査では、親欧州連合(EU)で中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相と反EUのマリーヌ・ルペン国民戦線党首は5月7日の決選投票に進出するとの見通しになった。
米AP通信は23日、5月の決選結果によって、今後国際情勢行方を大きく変化させる3つの要因があると指摘した。
まず、フランスのEU離脱リスクだ。反EUを掲げて通貨ユーロの使用廃止を訴えるマリーヌ・ルペン氏は選挙中、同氏がフランス大統領に当選すれば、EU離脱の是非を問う国民投票を行うと宣言してきた。
もしルペン氏が当選し国民投票を行った結果、ドイツと並んでEUの中核存在であるフランスがEU離脱すれば、その衝撃さはイギリスのEU離脱よりも大きく、EU全体の崩壊が避けられないとみられる。
2つ目は、ルペン氏が当選すれば、米国や英国などでみられているポピュリズムは、より一層の広がりがみられる。
最後には、シリア問題とロシア・プーチン政権に対して、マクロン氏とルペン氏は全く異なる政策を採る。
国連安全保障理事会(安保理)の常任理事国であるフランスは、米国にとって過激派組織「イスラム国」(IS)を掃討する重要な同盟国だ。マクロン氏が当選すれば、これまでと同様に、イラク、シリア、ウクライナなど問題において米国に協力していくとみられる。
いっぽう、ルペン氏は今年2月レバノン訪問の際、シリア情勢について「アサド大統領こそが現実的に問題解決策」と発言し、3月のロシア訪問でプーチン大統領と会談し、親露姿勢を示した。ルペン氏が当選すれば、ウクライナ情勢をめぐって欧米諸国の対ロシア経済制裁の解除を模索するだろうと推測する。
23日の第1回投票では、調査会社ハリス・インタラクティブが行った出口調査では、マクロン氏の得票率は24%で、ルペン氏が22%と、1位と2位になった。
その他の2人の候補であるフランス最大野党、中道左派「共和党」のフランソワ・フィヨン元首相と、急進左派「左翼党」のジャン=リュック・メランション元共同党首がそれぞれ20%の得票率で敗北した。
(翻訳編集・張哲)
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