[ブエノスアイレス 12日 ロイター] – 欧州委員会のセシリア・マルムストロム委員(通商担当)は、欧州連合(EU)、日本、米国が12日に過剰な生産設備を抱える国を非難する共同声明を発表することを明らかにした。ただ同声明では中国を名指しすることはないとしている。
マルムストロム委員は記者団に対し、日米欧は「世界貿易機関(WTO)の枠組み」の中で過剰生産能力を巡る問題に対処していくとし、「これまでも中国に対し規則を真剣に順守し始めるよう呼びかけてきた」と述べた。
そのうえで、アルミニウムや鉄鋼などの産業に対する中国政府の助成により中国製品が世界の市場にあふれ、欧州の労働者は「非常に劇的な」打撃を受けていると指摘。「中国が主要な阻害国であるとわれわれが考えていることは周知の事実だが、他にも同様のことをしている国はある」と述べた。
米国のトランプ大統領が「米国第一主義」を掲げるなか、WTOの枠組みで日米欧が連携するのはまれ。国有企業に対する助成金のほか、技術移転の要件などの中国の一連の商慣習に対する不満が主要国の間で高まっていることを反映しているとみられる。
WTOは11日からブエノスアイレスで閣僚会議を開催。初日となった前日は米国と日本が一部WTO加盟国の透明性の欠如に対し苦言を呈し、間接的に中国を非難した。これに対し中国は保護主義が台頭するなか、グローバリゼーションの流れを止めないよう、WTO規則を守るために連携する必要があるとの立場を示している。
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