ロシア、新ガス輸送管は欧州への影響力強化が狙い=米国務次官補

2018/12/11 更新: 2018/12/11

[ワシントン 10日 ロイター] – 米国務省のファノン・エネルギー資源担当次官補は10日、ウクライナを迂回して欧州に天然ガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム2」の敷設を通じて、ロシアは欧州やウクライナへの影響力強化を狙っているとの見方を示した。

ファノン氏は電話会見で「ロシアはノルドストリーム2を通じて西側諸国に対する影響力を強めるとともに、ウクライナと欧州の分断を狙っている」と分析。

トランプ米大統領は、オバマ前大統領と同様、ノルドストリーム2敷設計画に反対している。

欧州が現在、ロシアからパイプラインで輸入している天然ガスはウクライナを経由しており、ウクライナは国内総生産(GDP)比で最大3%に相当する通過料収入を得ている。

バルト海経由でロシアから欧州に天然ガスを運ぶノルドストリーム2とロシアとトルコをつなぐパイプライン「トルクストリーム」が完成すれば、ウクライナの通過料収入は消滅することになる。

ファノン次官補は、これらパイプラインで輸送できなかった分がウクライナを経由することになるが、それもロシアのプーチン大統領を信用できるかどうかに左右されると述べ、「経験則によると、プーチン氏は信頼すべき人物ということにはならない」とした。

同氏はまた、ロシアのアゾフ海での攻撃的行動を受けて、米議会でロシアのエネルギー部門に対する新たな制裁を含む複数の法案への支持が強まる見込みだと述べた。法案の詳細には踏み込まなかった。

Reuters
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