ドイツ当局は最近、台湾統一のために武力を辞さないという中国共産党政権の威圧を受け入れないとの態度を示した。台湾外交部(外務省)はこれに謝意を示した。
ドイツのハイコ・マース外相は1月16日、ドイツ国会の独台友情委員会で、台湾問題を解決する手段としての武力行使は拒否すると述べた。また外相は欧州連合(EU)加盟国も同じ立場を表明するよう求めた。
台湾外交部は20日発表の声明で、マース外相に謝意を示し、台湾は地域の平和と安定を維持するためにドイツと同じ価値観を共有する国々と協働すると述べた。
中国共産党側から中台統一を呼びかける1979年の文書「台湾同胞に告げる書」発表40周年記念に合わせ、中国の習近平国家主席は2019年1月2日、台湾政策について演説し、統一を目指す考えを改めて強調したうえで、独立の動きや外部の干渉に対して、武力行使も排除しない強い姿勢を示した。
独外相、台湾問題で「中国はEU加盟国に圧力」
16日、ドイツ国会の独台友情委員会のクラウス=ピーター・ウィルシュ議長は、武力行使を辞さないとの中国共産党政権の主張に対して、マース外相に質問した。外相は、ドイツはいかなる軍事的な解決手段も受け入れていないと答えた。
外相はさらに、中国共産党政権はこれまでEUの各加盟国に圧力を掛けて、中台問題で明確な解決法を出させないよう妨害していると述べた。このため、EU加盟国がドイツに同調して一致した立場を表明するよう希望した。
習近平主席は演説で、「一国二制度」による中台統一を進める考えを示したが、台湾の蔡英文総統は即座に拒否を表明した。
中央通信社は3日、NPO団体・両岸政策協会の世論調査を引用して、1992年の「一つの中国」という原則を中台がそれぞれ認めたとされる「92年合意」について、台湾人の80%強が否定的な考えを示した。調査は2018年12月27~28日、成人1081人に行なわれた。質問項目にある、中華民国(台湾)の主権が失われ中国の地方政府に編入されることについて、80%以上が「受け入れない」と回答した。
(編集・佐渡道世)
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