非営利団体の報告によると、中国の綿花生産量の84%が新疆ウイグル自治区産となっている。当局が「職業訓練」と称する集中管理施設にいる人々を、綿花産業に従事させているという。
ワシントン拠点の民間非営利団体(NPO)中国人権組織・公民力量によると、新疆ウイグル自治区の収容者らが生産した綿花は、中国に工場を持つ世界の衣料品メーカーの素材として使用されている。
公民力量のウイグル人権担当ルイーザ・グレイブ氏によると、中国当局は、企業名や産地の偽装、「複雑な責任構造」を作り出すなどして、新疆の施設で生産されていることを隠ぺいするために複数の方法をとっている。
「(中国より)外界からは実際の計画が見えないようにするための、明白な行為がある」とグレーブ氏は8月27日、公民力量が主催した言論フォーラムで述べた。
報告によると、これらの施設で生産された綿花を利用する米国企業には、ディズニー、アディダス、ラルフローレン、トミーヒルフィガー、ナイキが含まれる。
報告は、集中管理施設の収容を経験した詩人で映画監督のタヒル・ハムート(Tahir Hamut)さんの強制労働についての発言を取り上げている。
「レンガ作り、砂利敷き、綿摘みなど、誰しもがあらゆる種の重労働を強いられた」「仕事を終わらせることができなかった人は、ムチで打たれた」
ハム―トさんは2017年に家族と共に米国への逃亡に成功した。しかし、彼の兄弟はその後、中国当局に逮捕された。現在は、自身の体験に基づき、米国から新疆ウイグル自治区に関する人権情報を発信し続けている。
米政府組織や国連人権委員会、人権団体は、これらの新疆の集中管理施設の収容者数が推計100万人としている。
公民力量は、中国共産党政府はほぼ無賃の労働人口として利用し、綿花産業などで収益を得ていると分析する。
「新疆の強制労働は複数の産業で利用されている。通常の経済活動として切り離して考えることはできないだろう」と公民力量の報告は書いている。
公民力量は、政府、企業、消費者に対して、「中国産」の綿製品の労働背景について思慮するよう促している。
(翻訳編集・佐渡道世)
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