中国当局の国政助言機関、全国政治協商会議(政協)は4日、開幕した。政協委員で広東財経大学法学院の魯暁明副院長は開幕前、少子化の解決策として、中国の「民法典」を改正し、国民が結婚できる年齢を「18歳以上」とすることを提案した。
民法典は、中国国民の法定婚姻年齢を、男性は22歳以上、女性は20歳以上と定めている。
中国当局は1970年代後半、人口抑制のために一人っ子政策を実施し始めた。この数十年来、当局は「晩婚晩育(遅めに結婚して遅めに子どもを産む)」「少生優生(少なく産み、子どもの素質を高めよう)」を提唱してきた。長年の一人っ子政策の実施で、中国の出生率は大幅に低下した。国家統計局の今年1月の統計によると、2019年の出生率は、1949年共産党政権発足以来の低水準となった。
魯暁明氏は、「晩婚晩育」で「人為的な禁欲が生じ、公民権利に不必要な減損をもたらした。しかも、非婚同棲などの婚前交渉が急増した」と批判。
同氏の提案は物議を醸した。一部のネットユーザーは「18歳だと就職できないし、マイホームも買えない。相手に結納金すら出せない。子どもが生まれたら、どうやって養育していくのかわからない」と反発した。
「中国人にできるだけたくさんの子どもを産ませるために、あなたたちはあの手この手を使っている。奴隷が足りなくなったからじゃないの?」
「昔、私たちに晩婚晩育を無理やり押しつけ、今は早婚早育を要求している。子どもを産むかどうかは私たちの問題なのに」と中国当局の人口政策を非難する人が多かった。
中国は伝統的に「多子多福(子どもが多ければ、幸せも多い)」の思想を持っていた。時事評論家の横河氏は、「共産党政権は、人口が多いことが貧困の元凶だと宣伝してきた。今、中国の出産適齢期の夫婦の大半は一人っ子で、子どもは何人も欲しいと思わない」と指摘した。
横河氏は、出生率を高めるには、まず住宅費など国民の生活負担を減らすべきだと主張した。
「住宅価格の下落や税率の引き下げは中国当局の利益を損なうため、国民の生活改善はなさそうだ。そもそも、計画出産は共産党の計画経済の一部なので、共産党政権の下で人口政策の完全撤廃はないだろう」
(翻訳編集・張哲)
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