近年、中国の人権問題に関する認識が高まってきた背景には、人権問題について啓発を行ってきた地方議会議員の努力がある。30日に参議院議員会館で行われたSMGネットワーク設立3周年集会には複数の地方議会議員が駆け付けた。大紀元は、議員に人権問題に対する取り組みを伺った。
丸山治章議員「ナチスよりもひどいこと」
SMGネットワーク全国地方議員の会で世話人を務める丸山治章・逗子市議会議員は、2014年から人権問題に取り組んできた。きっかけは一人の法輪功学習者の女性が助けを求めてきたことだという。「法輪功学習者がひどい目に遭っているのに、誰も取り上げてくれないと、一人の女性が訴えてきた。日本人として捨てておけない、何とかしないといけない」と考えたという。
中国共産党政権による法輪功学習者やウイグル人に対する弾圧について、丸山議員は「人類の歴史を考えたときに、これは最大の汚点だと思う。これほどのジェノサイドは今までなかった。ナチスよりもひどいと思っている」と強調した。「日本は人権、人の命をもっと大事にすべきだ。G7のうち、6カ国は制裁決議をした。日本は足並みをそろえられないということは、日本人として恥ずべきことだ」と述べた。
そのうえで、地方議会の議員として、人権問題を地域の人々に周知させるほか、意見書の提出や、国会への働きかけを行っていくとした。
昨今のマグニツキー法をめぐる動きについて、「日本は当然、法整備すべき。マグニツキー法に準ずる日本なりのものでもいいので。今まで働きかけをしてきたので、引き続き行っていきたい」との考えを示した。
添田詩織議員「日本人は危機感を持つべき」
海外留学を通して中国の人権侵害を知り、問題意識を持っていたという添田詩織・泉南市議会議員。帰国後、地方選挙に立候補し初当選を果たすと、地方議員の有志で構成される「ウイグルを応援する全国地方議員の会」に参加した。
人権問題に対する取り組みとして、添田議員は「地方議員としてもできることがあると知った。証言集会やパネル展など、地方議員としてできることをやっていく」と述べた。また、日本国内の現状については、「この事実を知らない人がほとんどで、そもそもメディアもほとんど取り上げていない。ミャンマーや黒人差別は取り上げるのに、ウイグルのことは主流メディアがあまり取り上げていない。まず国民に知ってもらうことが大事」であるとし、情報発信をすることが優先課題になるとの考えを示した。
中国共産党政権の拡張政策について添田議員は、「中国は覇権国家で、その手は日本にも及んでいる。李鵬首相の時代から、2035年には日本はつぶれると言ってきた。このことについて日本国民に危機感を抱かせないメディアと政府はおかしい。危機感を持つべき」と警鐘を鳴らした。
臓器移植問題についても意見を伺った。添田議員は「中国では、殺そうと思えば誰でも殺せてしまう仕組みが出来上がってしまっているので、中国人にとってもかなり危険なことが今起きている。日本やアメリカが臓器を買っているので、臓器移植に対する考え方を変えていかないといけない」と述べた。
(王文亮)
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